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臨床情報「DHAの使い方について」

今回の話題はDHAの使い方についてです。

ご存知の方も多いかと思いますが、DHAはオメガ3系と言われる脂肪酸の一つで、脳にいいといわれます。同じオメガ3系のEPAとともに取った方がいいアブラとして知られています。
しかし、同じオメガ3系の亜麻仁油、エゴマ油とは違うことをご存知でしょうか?

最近からだにいいと流行っているエゴマ、アマニですが非常に酸化しやすく、瓶を開封後1日以内に消費しないと酸化してしまうと言われるくらいデリケートなものなんです。なのでご自宅にエゴマ、アマニをお持ちの方。非常に残念なお知らせですが、あなたのお持ちのその油、すでに酸化してます。
さらに人間はエゴマ、亜麻仁をDHA、EPAに変換する酵素が弱いため、ほとんどエネルギー基質として利用されて終わってしまいます。 あちゃーーーーー。

そこでオメガ3系を有効に働かせるためにはDHAはDHAとして、EPAはEPAとして摂取するのが一番効率がいいです。
DHAとEPAも実は体内で拮抗する(ぶつかり合う)のでこれも実は別々の方が望ましいとされています。
DHAは脳細胞の保護に。
EPAは心臓血管系の保護に。

それぞれ役割が違いますので必要な方を重点的に取りましょう。
またDHAなどの魚の油は材料となる魚に含まれる重金属が問題になるので、製造過程のチェックと、DHA、EPAの拮抗による抗炎症効果(アラキドン酸比率の低下)が確認できるかが重要です。ここまでくると素人ではとてもサプリを選ぶのが難しいので、サプリ会社に問い合わせるか、我々のような栄養療法をやっている医療機関での確認が必要です。

記事:医療法人永朋会 和光メンタルクリニック 院長 白岩恭一