臨床情報「ゲーム障害について」
2018年に改定されたICD-11(国際疾病分類 第11版)では、正式に「Gaming Disorder ゲーム障害」という病名が記載されております。
「依存症」のジャンルの疾患になりますが、アルコール依存症やギャンブル依存症比べると、まだまだ疾患としての認識は乏しいように感じます。
ゲーム障害の診断は、ガイドラインに基づき行われます。
1 aプレイをコントロールできない。(時間、頻度、熱中度など)
bゲームが生活の中心になっている。日々の活動よりもゲームが優先される。
cゲームにより問題が起きていてもやめられない。エスカレートする
2 上記の状態が持続的、反復的に12ヶ月以上続く。
3 1により、大きなトラブルが起きている。(昼夜逆転になる。不登校。会社の就業時間中に行いトラブルが起きる。など)
ゲーム障害は、他の依存症と同様に脳への変化が起こる疾患です。
①前頭前野の機能低下 (行動に理性的なストップが効かなくなり、いっそう依存しやすくなります。)
②きっかけに脳が過剰反応 (ゲームに関するものを見ると、ゲームへの欲求が我慢できなくなる。)
③報酬の欠乏 (線条体のドーパミン受容体の減少により、これまでと同じ刺激の強さでは快楽ホルモン(ドーパミン)が反応しにくくなります。プレイするほど、一層強い刺激をお願いすることになります。)
疑う方がいらっしゃれば早期の受診をお勧めします。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平