臨床情報「受験と漢方」
コーヒーにシナモンを加えると、立ちのぼる豊かな香りに深い癒しを感じます。
トーストにシナモンパウダーをかけることから始まり、最近はシナモンがマイブームの一つです。
シナモンは抗炎症効果、血糖値改善、リラックス効果など確認されていますが、
診療でもたびたび処方する漢方にも含まれています。
漢方では、シナモンは「桂皮」と表記され、桂枝湯、桂枝茯苓丸などよく使われる生薬のひとつになります。
特に僕は、不安定、気分のたかぶり、感覚過敏・こだわりに伴う悩み、自律神経失調症(しばしば、発達障害・ADHDベース)等に『柴胡桂枝湯』『小建中湯』を好んで処方しています。
最近は受験に伴うストレスで調子を崩されて来院される方をよく診療しますが、
副作用が少なく、何より合う方には効果を認めます。
抗うつ薬など西洋薬には、「飲み始めは眠気などの副作用を数日〜数週間認める可能性があります。」と説明するものがありますが、数日の不調が惜しい受験生の方には、必要に応じて漢方は第一選択として良いのではないでしょうか。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平