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臨床情報 「うつ病と間違えられやすい、ADHDの患者さんの例」

発達障害(自閉スペクトラム症)、ADHDについて、



別の主訴で受診をされ、詳しく話を伺うなかで見つかることは多いものです。







初診で初めに伺った話は以下のようなものでした。





カギ30歳代、サラリーマンの男性。



職場の上司や同僚との関係がうまくいかなくなったことがきっかけ。



抑うつ気分がだんだん悪化し、仕事が手につかない。徐々に、会社に行くことも辛くなってきた。



夜も眠れない。







右矢印この時点ではうつ病が想定されています。



問診にて、症状を掘り下げていきます。







カギ

・対人関係は幼少期から苦手なところがあった。

 人の話をさいごまで聞けない。

 場違いな発言をついしてしまうのでトラブルが多い。



・現在も好きな趣味は楽しめるが、仕事のことは考えられない。会社のことを考えるだけで苦しい。



・もともと業務の苦手さがあった。



 デスクを整理できない。(必要なものを見つけられない。)

 業務の優先順位付けが苦手。

 タイムスケジュール管理の苦手さ。

 業務中に指示をされても対応できない。







右矢印結果として、症状はADHDが主な原因であり、

 特性に伴う苦手さから仕事や対人関係に支障をきたしていると考えられました。





 詳しい検査のため、心理検査を施行後に、

内服治療、心理療法における苦手な場面の解決を図りました。



 現在、非常に安定した状態で、仕事復帰をされています。







このような例は非常に多いです。



思い当たる方がいらっしゃればぜひご相談ください。









 



鳥獣戯画のモチーフが好きで細々買ってしまいます。





名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平