臨床情報 「コロナ禍の国民性 多動性とファクターX」
新型コロナウイルスに対して、日本は諸外国に比べると厳しい法的な規制や積極的な大規模なPCR検査をするわけでもないのに、コロナウイルス感染者の重症者や死亡者が比較的すくなく済んでいる状況について、
何かしらの『ファクターX』が日本には働いているのではないか、と考えられ研究や考察が進んでいます。
ファクターXについて、BCGワクチンの効果(特に、幼少期に摂取することで免疫系にエピジェネティクスな変化があるのかもしれないですね)や、遺伝子の特徴(HLAの影響ではないか。モンゴロイド系人種の感染者は比較的少ないとの情報もあります。)など様々に医学的・生物学的に検討されています。
しかし、歴史や国民性にともなう文化人類学的な着想を得て、現実的な感染症の対策にとても有意義な観点だと思いました。
(自分自身、海外の文化や暮らしに精通していないので、日本と他諸国との具体的な生活や思想の違いについてわからないことが多く、これらを学ぶ作業は新鮮で興味がひかれます!)
生活における清潔行動の違い(トイレの後に手を洗わない人が多い、鼻をかんだハンカチで手を拭いたり使い回すこと)
マスクへの着用の違い
欧米の言語では破裂音が多く飛沫の飛び方が違うのではないか
もともと日本はソーシャルディスタンスがある(スキンシップに乏しい)
など。
特に興味をひかれたのは、日本と欧米とのドーパミン動態の違いについてです。
日本はドーパミン要求量の少ないドーパミン受容体タイプの人が圧倒的に多く(95%以上)、一方でスペイン、アルゼンチン、ブラジル系のラテン民族の人はドーパミン要求量の多い遺伝タイプが大多数を占めます。
日本人の行動傾向として、刺激を求めず、じっと我慢強い。
一方でラテン系の民族は、多動的に素早く活動する行動傾向のようです。
つまり、欧米諸国では感染症にたいしても早期に不安を払拭するような行動(大規模なPCR検査や大掛かりな水際大作戦)が目立ちました。
(日本のような感染の可能性について、検査せずに自宅待機にて経過観察することは不自然な行動のようです)
ヨーロッパの歴史は感染症(ペスト、スペイン風邪の大流行など)に悩まされ歴史の転換点となった過去があるため、感染症に対する危険意識が違うことも影響しているのでしょう。
ファクターXについて、生物学的、遺伝的な要素だけでなく、思想文化・慣習による行動の違いと言った複合的な理由は重なったものだと推測されます。
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丹羽亮平