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臨床情報 「コロナ後遺症としての脳症状 若年者がワクチンを打つ意味とは」

コロナ後遺症としての脳症状 若年者がワクチンを打つ意味とは

オンライン勉強会に最近もたびたび参加しておりますが、やはり話題に上がることはコロナウイルスについてです。


とくに、脳神経・精神科分野で懸念されることは、コロナウイルス後遺症に伴う精神神経症状です。



 「ブレインフォグ」とも呼ばれるそうですが、「あたまがボーっとする」「頭痛」「疲れやすい」「気持ちが晴れない」などの精神神経症状の不定愁訴が出現します。

 

 ブレインフォグの症状:認知機能の低下、頭痛、抑うつ気分、意欲低下、易疲労感、記憶力低下



 他にも、後遺症として嗅覚障害、味覚障害などの神経症状も認める可能性があります。

 

 これらの症状について、コロナウイルスに感染したことに伴い心労が増したこと、集中治療室に入院した影響等が原因とも考えられますが、ウイルスの働きによる生体への影響が大きいといえます。



 新型コロナウイルスが脳神経経症状を引き起こす原因として、、

・アンギオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合することを介して、2次的な脳血管系障害を起こすのでは?

・炎症系サイトカイン病変ではないか? 微小血栓を生じたのでは?

・免疫機能不全が生じたのでは?

などが複合的に考えられます。



 後遺症についてのデータはまだ十分ではありませんが、

 これらの日常生活に深刻な影響をもたらす副作用は、時間経過の中で改善するものが多いですが、一部不可逆な症状として継続的に残るのかはわかりません。

 (下記のグラフからも、倦怠感は200日経っても数%認めます。)




また、コロナ感染者では、軽症例を含めても、20歳代では75%、30代では83%がなんらかの後遺症を認めております。
(アンケートの回答形式が分からないのですが、非常に軽い後遺症の方も含めている可能性はあると思います。一方で、記憶障害や認知機能障害など精神神経症状の後遺症はカウントされていないかもしれません。)


上記データは以下から

新型コロナウイルス感染症後遺症について | COVID-19有識者会議
新型コロナウイルス感染症の後遺症は高頻度でみられ、月単位で遷延することが明らかになってきた。現段階では多様な症状を示す後遺症の病態や原因は不明であり、確立された治療法はない。後遺症に関しては医学的、社会的、経済的問題があり、これらは喫緊の課題である。
リンク
www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp


若年者のコロナウイルス感染では急性期症状は重篤化しにくいと言われていますが、生活に大きな支障をきたす可能性のある後遺症が遷延するリスクを考えると、ワクチン接種をやはり若年者にも基本的にはお勧めしたいです。




抜毛症は強迫行為?衝動性の問題?|名古屋駅 心療内科 名古屋市西区 名駅さこうメンタルクリニック 女医
名古屋市「名駅さこうメンタルクリニック」は、栄生駅徒歩1分。心療内科・精神科・児童精神科を診療。女医も在籍。うつ病・発達障害(ADHD)・お子様の不登校等、専門医と心理カウンセラーが治療・サポートします。小さなお悩みでもご相談ください。名駅さこうメンタルクリニックのクリニックブログページです。
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丹羽亮平