臨床情報 「ADHDと双極性障害は症状がにている ②」
前回のブログの続きです。↓
『ADHDと双極性障害は症状がにている ①』
ADHDと双極性障害はそもそも合併することが多く、また躁症状について考えると、単一のエピソードのみでは、
ADHDと双極性障害の区別が難しいです。
そのため、幼少期からの現在に至るまでの症状の経過を聴取する必要が有ります。
・幼少期・学童期から明らかな不注意・衝動性がないか? ⇨ ADHDの単独、ADHD+抑うつ症状、ADHD+双極性障害
・抑うつエピソードと躁病エピソードの発症はいつからか? ⇨双極性障害は学童期の発症は稀であり、18歳位からの発症。
・明らかな抑うつエピソードと躁病エピソードの切替があるのか、抑うつエピソードと躁病エピソードの両方の特徴を同時に認める混合エピソード?
(混合エピソードはADHDとの区別は非常に難しいです)
発症年齢、明らかな抑うつと躁病エピソードの切替を認めて、積極的に双極性障害の診断と治療を行うケースも多いですが、
診断そのものはファジーになることもしばしばあります。
おそらくADHDの疾患概念があいまいであった過去には相当数のADHD患者さんが、双極性障害(特に2型)と診断されたのではないでしょうか。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平