臨床情報 「大豆に含まれるトリプトファン 抗うつ効果を得るにはどのくらい食べる必要がある?」
大豆に含まれるトリプトファン 抗うつ効果を得るにはどのくらい食べる必要がある?
本日は節分ですが、節分といえば豆まき、豆まきといえば大豆、
大豆といえば、トリプトファンを通常の食生活の中で摂取しやすい筆頭の食材です!!
他にも、大豆には、
・チロシン、フェルアラミンが含まれています。
チロシンとフェルアラミンは体内にて、意欲向上や精神・身体を適切にコントロールする作用があるドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質に生成されます。
・ イソフラボンも含まれます。、
女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることで知られ、精神の安定効果が期待されます。
大豆は非常に精神症状のみならず健康全般に非常に良い食品といえます。
しかし、大豆や大豆食品をたくさん食べると「うつ病」「不安障害」等が改善するとは言い切れないです。
これらを摂取することによる、うつ病、不安障害、強迫性障害への治療効果のエビデンスはありません。
ただ、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンなどが不足すると、抑うつ症状や不安症状が出現することが予想されます。
⇨毎日これらの原料になりうる食材を必要量を食べましょう。
トリプトファンの1日摂取量は体重あたり2〜3mgと換算されます。
体重50kgの方なら、トリプトファン100〜150mgが1日に必要な量です。
100gあたりのトリプトファン含有量は、(日本食品標準成分表2015年)
木綿豆腐 98mg 高野豆腐 750mg
白米 82mg
パスタ 140mg
牛乳 41mg
等の記載があります。
健康的な食事を摂っていれば、1日摂取量はクリアできそうなことがわかります。
ちなみに、国内外で、トリプトファンにて抗うつ効果、催眠効果を説明しているサプリメントがありますが、
含有量が1日量の設定が500〜1000mg以上であり、通常の食事を大きく上回る量が含まれます。
この量のトリプトファンを摂取すると、精神面に対する作用がデータとして得られるのでしょうか?
また、トリプトファンにも過剰摂取に伴う有害事象があります。
次回ブログにて記載いたします。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平