臨床情報 「子供への読み聞かせの脳科学的効果」
子供への読み聞かせの脳科学的効果
前回のブログに関することですが、
『ゲーム・スマホ依存、不登校のお子さんに親が何がしてあげられるか?』
不登校のきっかけであり、不登校長期化の一番の原因としてゲーム・スマホ依存がありますが、実際に家庭における対応をどうしたらよいのか、難しい問題です。 単純に…
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この本は、「読書にともなう効果」について分かりやすく書かれておりお勧めです。
本の題名から、「読書と学力の因果関係」に関する本かと思われる方も多いかと思いますが、
読書、音読、読み聞かせの効果は、言語機能などの認知機能の向上のみならず、それぞれにより広範な効果があるようです。
その中でも、治療上に有効ではないかとおもったのが「読み聞かせ」です。
発達障害(自閉スペクトラム症)、ADHD、感覚過敏、緘黙、不登校、、様々なお悩みで当院に来院される児童患者さんがいらっしゃいます。
診察において、家庭内ではどんな対応ができるか?、という話になるのですが、継続的に毎日できる家庭内のトレーニングは難しいものです。
例えば、
折り紙が、指先の微細運動から視覚能力、作業の組み立て能力、立体認知など様々な脳機能をフルに使い脳機能の向上によいと思います。
しかし、毎日この遊び(トレーニング)を継続できるかというと難しいと思います。
その点、読み聞かせは、本というツールを利用し型があるため行いやすく、親がお子さんのそばにいるためお子さんの集中力も途切れにくいです。
毎日の継続性の高いトレーニングだと思います。
読み聞かせにて下矢印
・自己効力感が高まる→不安や抑うつの軽減 (やる気や前向きな気持ちにつながることが期待されます)
・言語機能やコミュニケーション能力の向上。会話内容の意味や感情の理解も深まります。
・衝動性などの問題行動の軽減も言われております。
・全般的な脳機能の向上により、学力の改善も認めます。
・読み聞かせに伴い、親のストレスが軽減することも報告されています。また、音読をする親の認知機能の向上にもつながります。 (親子関係の改善にもよいと思います。)
読み聞かせを毎日の生活に取り入れてはいかがでしょうか?
名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平