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臨床情報 「統合失調症の原因は不明なことが多い。(遺伝や家族が原因とは全然言い切れない。)」

統合失調症の原因は不明なことが多い。(遺伝や家族が原因とは全然言い切れない。)


 統合失調症の原因のひとつに、母親の妊娠中の重大な感染症の罹患などが関わっていることが分かった、ということが記載されています。下矢印



統合失調症の一因に胎児期の免疫障害が影響 島根大医学部の研究チーム(山陰中央新報) - Yahoo!ニュース
 統合失調症を引き起こす原因の一つに胎児期の免疫障害が影響していることを、島根大医学部(出雲市塩冶町)の研究チームが動物実験で確認した。発症メカニズムの解明につながる成果として米国の学会誌電子版でこ
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news.yahoo.co.jp





 素晴らしい研究成果で、このことが治療法開発や予防医学の発展につながることが期待されます。





 一方で、ご家族に統合失調症患者さんのいらっしゃる方は、統合失調症の発症が「遺伝が原因ではないか?」

「妊娠中の過ごし方が影響しているのでは?」と悩まれる方もみえると思います。





 ちなみに、遺伝について述べますと、

 たしかに統合失調症の関連遺伝子は見つかっており、遺伝する可能性はありますが、一般的にみなさんが思われているよりも孤発性(家族歴がまったくない方の発症)は多いのです。



 

・統合失調症の生涯有病率 0.7〜1.9%



・片親が統合失調症であった場合、子どもの生涯有病率は10%。


・両親が統合失調症であった場合、子どもの生涯有病率は40%。



・一卵性双生児における統合失調症の発症一致率は30〜50%





ちなみに、スポーツや勉強は遺伝の関連もあるだろうけれど、環境要因(親がスポーツや勉強によく取り組む環境であること)も大きいと考える方は多いのではないのではないでしょうか?



→スポーツや勉強の方が遺伝の影響が実は大きいです。





(↑論文を直接読んでいないので、この横軸の数値%の意味が明確ではありませんが、統合失調症よりも音楽、執筆、数学の方が遺伝要素が高いことはわかります。)



統合失調症は時代や民族、場所を問わず1%の発症率を認め、孤発性発症も比較的多い疾患です。

(原因は突き止められないケースが多いです。)





発達障害、ADHD、統合失調症の人類上の意義|名古屋駅 心療内科 名古屋市西区 名駅さこうメンタルクリニック 女医
名古屋市「名駅さこうメンタルクリニック」は、栄生駅徒歩1分。心療内科・精神科・児童精神科を診療。女医も在籍。うつ病・発達障害(ADHD)・お子様の不登校等、専門医と心理カウンセラーが治療・サポートします。小さなお悩みでもご相談ください。名駅さこうメンタルクリニックのクリニックブログページです。
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meiekisakomentalclinic.com






名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平