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臨床情報 「抗うつ薬が飲めない方に微量処方 」

抗うつ薬が飲めない方に微量処方


『抗うつ薬が飲めない方にうつ病治療 感覚過敏+うつ病』
当院に来院される成人患者さんで一番多く認める疾患はうつ病です。  うつ病の治療と言いましても、患者さんの背景や併発している疾患(診断基準を満たさないレベルの行…
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ameblo.jp

 



なんらかの事情で抗うつ薬など薬物治療のできない「うつ病患者さん」への治療として上記の内容のとおりです。







抗うつ薬を飲めない方へのうつ病治療として、やはり以下の方針を考えます。





四角オレンジ改めて抗うつ薬の治療を行う。

 剤形に関しましては、粉砕して粉薬にするなど可能な限り飲みやすい工夫をします。(特別なコーティングあったり、徐放性製剤では粉砕できません。)

 また、内服量を規定量の半分以下にするなど微量処方を行う。(微量処方でも効果を認める方は結構いる。)



四角オレンジ漢方にて対応

 

四角オレンジ心理カウンセリングや環境調整



四角オレンジTMS





最近あった例では、、



⚪パニック障害 + 感覚過敏、こだわり



症状:

音への敏感さがあり、人ごみや電車内にて不安と緊張を認めていた。

イヤホンをつけることでなんとか電車通勤はしていたが、生理前は症状が悪化し過呼吸がでる。





考慮すべき事情:

内服薬に過敏に反応し、過去にレクサプロ0.5mg(一般的に考えて少ない量です)にても吐き気の強い副作用あった。

漢方などの粉薬はのめない。

カウンセリングは通院する時間が現実的に取れない。





→抗うつ薬の微量処方を検討。錠剤で内服量を少量に調整できることからジェイゾロフトを選択。

(セルトラリンは成人なら100mgまで内服しますので、極めて微量です。)



セルトラリン(ジェイゾロフト)25mgの1/4錠(8.25mg)を処方しました。







→その結果、飲み始め1週間は眠気の副作用が出現。しかし許容範囲内の症状であったため内服継続。

その後、眠気はなくなった。

以後、月経前の精神不安定はなくなり、通勤電車における不安も改善した。







あくまで1例報告ですが、微量処方の有効性はしばしば診察にて認識します。

少なくとも内服における副作用のリスクは抑えられます。



内服の難しい方も、状況により微量処方を検討することを勧めます。









名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平