臨床情報 「健康な食品を幼少期にたべているとジャンクフードにはまる?」
健康な食品を幼少期にたべているとジャンクフードにはまる?
よく患者さんからも、ちまたの話としても聞くことです。
「母親が食事に気を遣っていて小さいころに、チョコ、炭酸飲料、ジャンクフードなどのようないわゆる不健康な食品を食べさせてもらえなかったから、大人になって反動でジャンクな食べ物にハマってしまった。」
つまり、
「幼少期に強い制限をうけると、成長した後に、反動にて制限されたものにハマってしまう」
という話は医学的に見て本当なのでしょうか?
右矢印医学的にみて正しいとも違うとも言えないです。
こういった研究論文を目にしたことがあまりない、という意味です。
しかし、個人的には心情として理解できますし、
『中毒やこだわり』のカテゴリーの話として考えると別の見方があるかもしれません。
これは、もっと極端な例にはなりますが、
母親(養育者)が極端に「健康な食事にこだわる」というのは、こだわり症状の一種かもしれないと思います。
こだわり症状のあるかたは、感覚過敏をお持ちである方がほとんどで、感覚的な納得感のえられるこだわり行動を認めます。
診察にて見る限り食事にこだわりのある方は割と多いです。
また、発達障害や注意欠如多動症の患者さんは依存症・中毒の併存リスクがありますので、
こだわりの強い方は、(発達障害や注意欠如多動症の診断に該当するかどうかは置いといても
)、依存・中毒の傾向は認めやすいです。
また、感覚過敏やこだわり傾向、依存・中毒の傾向は親子間で関連があります。
(遺伝、生育の環境要因を合わせて。)
つまり、母が食事にすごいこだわる。
→ 母がこだわり・感覚過敏の傾向を持っているのかもしれない。
→ 子もこだわり・感覚過敏の傾向を持っているのかもしれない。
→ 子に中毒・依存になりやすい傾向があるかもしれない。
→ 嗜好性の高い食事(ジャンクフード、コーラ、チョコなど)は中毒性・依存形成が高いため、はまりやすいかもしれない。
結果的に、上記の、『健康食品にこだわる親の子が、成人した時にジャンクフードにハマる』ことはリスクとしてあるかもしれないですね。
(あくまで個人的な推論です。)
名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平