輪唱情報 「Bスポット療法 コロナ後遺症への治療選択肢」
Bスポット療法 コロナ後遺症への治療選択肢
当院にはコロナ感染症の後遺症に悩まれて来院される方が多いです。
当院における医療的な治療選択肢として、
漢方治療
薬物治療(抗うつ薬 抗不安薬 めまい薬など)
TMS(磁気刺激療法)
を症状や患者さんの希望に合わせて選んでいます。
患者さんの症状は多種多様であり、一概に治療方針を言えないのですが、
治療する上で頭を悩ますことは、
〇『頭がぼんやりする、頭が働かない、物忘れ』などの認知機能低下症状には現状では著効する薬物療法がなく、改善を希望する患者さんにはTMSの提案を行う。
しかし、TMSは基本的に保険外治療であり費用がかかること、高い効果を望むなら高頻度の通院通院が必要なことが、ネックとなりうることです。
TMSを悩まれる方には、まず数回トライしてTMSの本格導入を行うか検討していただくことができますが、上記の点が悩みものです。
コロナ後遺症に対して他に手立てはないかと、患者さんと話す際に、
「Bスポット療法(EAT 上咽頭擦過治療)」
のことも取り上げます。
Bスポット療法(EAT 上咽頭擦過治療)は耳鼻科領域の治療であり心療内科では行えません。耳鼻科の一部の病院で行っているようです。
もともと慢性上気道炎の治療法ですが、コロナ感染症は上咽頭炎との関連が深くBスポット療法の効果が期待されるようです。
慢性上咽頭炎の影響として
①上咽頭炎の症状 :咳、痰、頭痛、咽頭痛など
②近くに走行する自律神経への影響:めまい、立ちくらみ、全身倦怠感、吐き気 など
③咽頭扁桃を介して病巣感染の症状を引き起こす可能性 :自己免疫性疾患など
が上げられますが、これらの症状にBスポット療法が効く可能性があることが言われているそうです。(どの症状やどの病態に特に効果を持つのかは、僕には知識不足でわかりません。)
心療内科には専門外といえる治療ですが、コロナ後遺症に効果があるという説明には非常に納得できます。興味のある方は、この治療を行っている耳鼻科施設に相談されてもよいと思います
。
「保険治療」という点がメリットです。
毎週トータル10回以上の通院治療がいること、痛みを伴うことが多い点がデメリットといえます。
コロナ後遺症といいますが、症状や病態は人それぞれであるため、治療の選択肢もそれぞれ優先順位は異なると思います。
症状や患者さんの希望に合わせた治療ができる限り提案できたら良いと思います。
名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平