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睡眠剤などのBZ系への問題

睡眠剤などのBZ系への問題

最近話題になることがありますが、



抗不安薬、睡眠薬として代表的なベンゾジアゼピン系薬剤(BZ系薬剤)は依存性などのリスクがありますが、必要な状況のある方への適切な処方はメリットがあります。









しかし、やはり長期連用や多剤併用などは可能なかぎり減らすべきと考えています。









医師としては、抗不安薬・睡眠薬の処方を考慮する際、





・不安・うつ・不眠などの症状に対して、BZ系薬剤ではなく抗うつ薬など他の依存性のない薬剤を選択肢にいれる。

 また、心理療法・TMSなど非薬剤療法も選択肢に入れる。



・治療のゴールまでの薬剤療法の過程をしめす(いつまでベンゾジアゼピンを使うか、いつどのように使うか)



・患者さんへのベンゾジアゼピン系薬剤の効果・使用方法・有害事象のくわしい説明



・対処療法・軽快ではなく寛解を目ざす。







といったことが重要です。













〇ベンゾジアゼピン系薬剤の弊害については、期待されている効果の裏返しの作用ともいえます。





・副作用について





あらかじめこのようなことが起こりうることを患者さんに説明し、どのように内服したらよいか、いつまで内服を使うのか、診療の中で繰り返し話すことが必要だと思っています。



○鎮静・催眠作用      よく眠れる  →  昼間の眠気



○筋弛緩作用        身体が休める  →  ふらつく、それに伴い転倒・骨折のリスク



○反跳現象         BZ系により連用・中止により不安・不眠の増強



○依存性        減薬や断薬にともない離脱症状がでることがあります。症状は精神症状・身体症状など。





○奇異反応 せん妄など  寝ぼけに似た、通常とは異なるおかしな言動が出現することがあります



○アルコールとの相互作用



○自傷・自殺企図・多量服薬などの衝動行為の抑えが弱まる(脱抑制)









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丹羽亮平