診察、カウンセリングは、会っていない時間の方が大事
診察、カウンセリングは、会っていない時間の方が大事
診察やカウンセリングで病院にきている方、どのくらいのペースできているかはそれぞれですが、例えば2週に1回きているとしましょう。
治療者と会う時間は人生の時間の中のほんの少しの時間です。
治療は、治療者と会っている時だけ動いているのではくて、会っていないときも休みなく動きつづけているものなのです。
だから会っていない時間をどうすごすか、は非常に重要です。なんといってもあっていない時間の方が圧倒的に長いわけですから。
それに会っていない時間、とはつまりその方のリアルな人生の時間の方であり、診察中の方がイレギュラーな場所、時間のはずです。
たまに診察にきて、治療者と二人で診察室の中にいるときは適当な2者関係を築けているが、それ以外の自分の生の生活の場所ではうまくいっていない、という方がいます。それではだめです、ということです。
治療者と練習したこと、そこで獲得した何か、を自分の生の生活の方にもっていくことができなくてはいけません。
人とのかかわり方、が問題点となっているのならば、治療者と練習してうまくやれそうになったら、それを自分の人生の中にいる他人との人間関係にも反映できなければ意味がありません。
むしろ治療がすすんできたら、リアル生活での成長の方が、治療者との関係性での変化より、早くなることあります。そのことにお互いが気づいた時なんかは、治療のいったんの終結としては、いいタイミングだよね、という感じになります。
最初は治療する場所、時間、空間が、リアルな人生と切り離されていてもいいと思います。隔絶しないと、いろんな刺激が入ってきてしまって、治療がすすまない、もしくは進むスピードがあまりにも遅い、ということがおこることあるからです。
ですが、どこかのタイミングで、リアルな方と連続性をもたせ、そして現実の本人が生きていく世界の方へ、治療での成果を移動させていく作業が必要となります。
そういうイメージで治療をとらえておくと、最初から連続性をもらせられるのでいいのではないかと思います。
医療法人永朋会 理事長
加藤晃司