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ADHD治療におけるアトモキセチンの良い点 起床困難の改善

ADHD治療におけるアトモキセチンの良い点 起床困難の改善

ADHDの薬剤治療について、まず3剤が挙げられます。



・コンサータ

・インチュニブ

・ストラテラ



(18歳未満かつ、これらの薬剤について効果不十分の際はビバンセの使用も考慮されます。)







以前の記載の繰り返しの説明になりますが、簡単に説明すると以下のスペックになります。



コンサータ(メチルフェニデート):中枢神経刺激薬。効果はおよそ12時間弱。
不注意、多動・衝動性の全ての症状に効果が期待され、インチュニブ、ストラテラに比較すると、服用後すぐに効き、効果も強いです。
インチュニブ(グアンファシン):α2Aアドレナリン受容体作動薬、非中枢刺激薬。
多動と衝動性と感情に対する効果が期待できる。24時間効果をもつ。
ストラテラ(アトモキセチン):選択的ノルアドレナリン再取込阻害薬、非中枢性刺激薬。
不注意、多動、衝動性の全ての症状を24時間、マイルドに改善します。
   
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さて、ADHDに悩まれて受診される患者さんで、不注意症状(注意散漫、集中力の維持困難、眠気、ミスが多いなど)の訴えを主に来院される方が非常に多いです。





その際、薬剤治療を行うと決めた時に考えることは、、



・重大な副作用のリスクが少なく、依存性がない。流通管理のなく処方しやすい。   →ストラテラ

 24時間だけど効果はマイルド

 

・重大な副作用のリスクがありうる、依存性の指摘有り、流通管理が厳しく登録が必要。  →コンサータ

 12時間の効果だがシャープな改善あり。





上記のように、期待する効果と副作用・リスクの兼ね合いでストラテラかコンサータを選ぶ方が多いと考えます。







 効果に関しては、基本的にコンサータの方がストラテラよりも軍配が上がるのですが、

最近ストラテラを効果にて積極的に選択することが増えています。





 それは、起床困難についてです。







 ADHDの患者さんにて、朝が起きれなくて生活に支障を来たす方がしばしばお見えになりますが、

ストラテラを(個人差はありますが)少量でも内服することで朝が起きやすくなった、という声を聴きます。





 お悩みの症状の全体像や副作用のリスクなど考慮することは多いですが、ストラテラを選択する判断材料になるのではないかと思います。













名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平