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コミュニケーション力を上げるには・・・

コミュニケーション力を上げるには・・・

児童精神科をやっていると、コミュニケーションが苦手、という主訴での相談を多くうけます。

シンプルに、広汎性発達障害(PDD)がベースにあって、コミュニケーションが根本的に苦手な人もいれば、対人緊張が強すぎてうまくコミュニケーションとれないという人もいます。

治療として、なんらかの症状を改善さえることによって、緊張しにくくなったり、情報処理のスピードがあがったり、間接的にコミュニケーション力にプラスに働かせることはできるかもしれません。

ですが、本質的なコミュニケーションする力をつけたければ、経験にまさるものはありません。
当たり前のことなのですが、病院にくると、何かの症状、病気を治す、ということにフォーカスしがちで、当たり前のことを忘れていることが結構あります。

経験、そしてそれをこなした数、つまりは失敗した数、に比例してのに、コミュニケーション力はあがっていきます。
つまりかなり痛みをともなう、ということです。
心にダメージをくらいますが、ダメージくわらないと、筋肉も、メンタルも、コミュニケーション力も、超回復しないわけです。


補助輪つきでまずはスタートするという意味では、心理士の先生や、その他医療スタッフとのコミュニケーションは悪くないと思います。
最近ではVRを使ったSSTなんかもやれたりしますし、序盤はそれでもOKです。

ですが、どこかで補助輪はとらないといけません。

自分のリアルな世界での戦いが、ほんとうの力をつけてくれます。


児童精神科だと、子どもたちに対してこのような話をすることが多いですが、何歳になってもそれは変わらないと思います。

コミュニケーションも、数学と同じで、理論だけでなく、暗記がものをいいます。

パターン化することがある程度はできます、が、やはりそのためには量が必要です。統計学的に有意差がでるにも、サンプル数が必要なのと同じです。


医療法人永朋会 理事長
加藤晃司