抗うつ薬で太るのか？

診察にてうつ薬を処方する際、「太るのではないか？」という質問をよく受けます。



右矢印ほとんど抗うつ薬では、基本的に太る副作用はありません。









では、太る可能性が報告されている抗うつ薬について簡単に説明します。





薬理作用として「食欲増進効果」が起こりうるのは、

「抗ヒスタミン作用・抗5HT2c作用」ですが、

この作用をどちらも認めるのは、

ミルタザピン（リフレックス、レメロン）だけです。



（僕はあまりミルタザピンを抗うつ薬の主剤としては処方しませんが、他のSSRI/SNRIとの併用にて抗うつ効果の増強を検討することがあります。

また、「傾眠」の副作用を生かして、睡眠の改善を期待することもあります。

個人的、ミルタザピンはなかなかおもしろい抗うつ薬だと思っています。）







　また三環系抗うつ薬であるアミトリプチン（トリプタノール）もミルタザピン同様に食欲増進作用が言われますが、現在あまり処方機会はありません。









　他に抗うつ薬全般に言えることですが、



・抑うつ気分が改善し、ご気分や身体が元気になることで食欲が改善し、体重増加に至る可能性があります。



・また抗うつ薬の飲み始めにおこりうる副作用として、「賦活化症候群、アクティベーション」がありますが、その症状ひとつとして、衝動性が亢進し過食行動に至る可能性もあるかもしれません。（ほとんど診察でみたことはありません。）





副作用について気になることがあれば、ぜひ主治医にご相談ください。






名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平
丹羽亮平
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