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不安を自分でキープする力は、子どもでも必要、について名古屋の児童精神科医が解説

不安を自分でキープする力は、子どもでも必要、について名古屋の児童精神科医が解説

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

今回は、不安を自分でキープする力は、子どもでも必要、について解説します。


不安、日常的に常に発生している感情だと思います。

それは理由が分かっている不安もあれば、なんだかよくわからないけど不安がある、ということもあるでしょう。

不安が心の中にあると、それは異物ですから、とにかく持っていたくありません。

それは私でもそうですし、大人でも、そして子どもでも同じです。

不安はいらない。

そして不安は、他人に渡したり、ぶつけたり、まき散らしたり、できます。

いらいらに変換して、他人、知り合い、家族にぶつけるというのがもっとも簡単な不安を解消する方法かもしれません。
しかし、問答無用で不安を変換したイライラをぶつけられた人には、もちろんそれが移行していきます。
他人に負担をかける行為ということになります。

それは親しい友人、家族、であっても、同じくらいの負担です。

もちろん相手がそれをもらう気持ちでいてくれていれば、まだいいでしょう。

しかしそうでないなら、もしくは想定以上の不安をぶつけられたら、その人は負担に思うかもしれません。

相手に対して具体的な何かに怒っていているように見えて、本当は自分の不安をぶつけているだけだとしたら、それはあまりいい問題解決方法ではありません。
二者関係が継続できない原因になるかもしれませんし、他人から信頼してもらえない原因になるかもしれません。

それをみんなが悪い、周りが悪い、で終わっていってしまっては、いつまでも本質的な解決にはいたりません。

それは子どもでも、大人でも、同じです。

自分の不安を意識し、具体的に名前をつけ、形づけることができれば、それはイメージできるので、自分でキープすることがやりやすくなります。
まずは自分の弱い部分、情けない部分、繊細な部分、を見つけて、納得することが大事です。
だれしも不安は持っています。それは悪いことではない。不安があるから、先んじて手を打つことができるのです。

ですが無意識に他人にぶつけてはいけません。
不安を渡すときは、他人にもらってもらっている、というのをかなり意識し、感謝しなくてはいけません。
そしてその人が調子悪い時は、今度は自分がその人の不安を肩代わりしてあげるつもりでやらなくてはいけません。
信頼とは、そういうところから発生します。

不安は自分でキープする時間が長くなれば、筋肉と同じで、超回復して、よりタフになれます。
もっと大きな不安を、もっと長時間、自分でキープできるようになります。

すべてはイメージする力が大事なのです。

理由があまりない、たいしたことないのに、誰かにイライラするときは、おおむねこの現象が起きています。
まずは自分自身の不安に目を向けてましょう。

こうやって書いていながら、私自身も自分の不安に飲み込まれている時、結構あります。
そのくらいマイナスの感情は強く、浸食力もあります。

書くことで、外在化して、飲み込まれないようにしたいと思っています。
皆も一緒にがんばりましょう。


まとめ
今回は、不安を自分でキープする力は、子どもでも必要について解説しました。

不安キープ力は長年やっていると、かなり上達します。

つまり子どもの時に何か困難があって児童精神科に来ることになったとしても、その後の長いトレーニングをへて、かなり不安耐性の強い大人になっていること
結構あります。

医療法人永朋会 和光医院
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