ADHDの不注意症状は、他人から見ると分かりにくいところに問題がでていることがある、名古屋の児童精神科医が解説
ADHDの不注意症状は、他人から見ると分かりにくいところに問題がでていることがある、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、ADHDの不注意症状は、他人から見ると分かりにくいところに問題がでていることがある、について解説します。
ADHDとは
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ADHDの症状は大きく3つのカテゴリーに分けられます:不注意、多動性、衝動性です。不注意に関連する症状には、細部への注意が散漫、指示に対する忘れやすさ、物の紛失、集中維持の困難さがあります。多動性には、座って静かにすることの難しさや、常に動き回る必要性が含まれます。衝動性は、考える前に行動してしまう傾向、順番を待てないこと、他人の会話や活動への不適切な割り込みなどで表れます。これらの症状は、社会生活や学業、職場でのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
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といった感じなのですが、多動、衝動性が強いタイプは、行動としても分かりやすいですし、本人もそのことを自覚できていることが多いです。
しかし不注意がメインの場合、他人から見ても本人の努力不足にうつることが多いですし、本人自身も自覚できていないことがあります。
それくらい不注意は、本人の感覚にべたっとくっついています。
不注意とは
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ADHDの不注意症状には、日常生活や学業、仕事で困難を引き起こすいくつかの具体的な問題が含まれます。これには、指示の忘れや誤解、物の紛失、集中の維持が困難であること、細かいミスが多いこと、複数のタスクを同時に処理することの難しさ、会話や活動への注意が途切れやすいことなどがあります。
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これはまだ分かりやすいと思います。
不注意があると、同時処理、並行作業の困難さがでます。
それは、何か二つ以上の感覚神経、運動神経をつかいながらの、ながら作業をすると、その片方、もしくは両方のパフォーマンスががくっと落ちてしまうことがあります。
これが複数人での話し合いとか、当たり前の状況でも、聞きながら話す、見ながら聞きながら話す、と複数の感覚を同時処理しないといけない時に、聞いていない、見ていない、となってしまうことがあります。
これは集中していたとしても、おこるときはおこります。
怠けている、さぼっている、と思われてしまうこともあるでしょう。
一つのことに過集中したり、没頭したりできることもあり、それは一つの強みにはなることもあります。
その反面、ながら作業はとにかく苦手、ということもあります。
本人たちからの訴えをきいていると、見え方、聞こえ方、も通常とは異なっていると思います。
雑音が多いなかでの会話が苦手というのもよく聞きます。通常脳が無駄な音を自動的にやや遮断している機能がうまく働いていないという感じです。
学生だと、多くの生徒がいるなかでの、学校生活は、感覚刺激が多い状態で過ごしにくいこともあるだろう想像できます。
何かうまくいかない時、まわりが本人の努力だと本人に言い続ければ、本人もそうだと思うことでしょう。
そのせいで自己評価がかなり低くなっている状態で受診してくる子も結構います。
その時ADHDの症状が影響していたことが分かると、一部肩の荷がおりたような気持ちになることもあるようで、それはそれで意味のあることだと思っています。
まとめ
今回は、ADHDの不注意症状は、他人から見ると分かりにくいところに問題がでていることがある、について解説しました。
ADHDは多動、衝動の方が目に見えて分かりやすいので、そちらが先行しがちですが、中核症状はどこまでいっても不注意症状です。
不注意症状が日常生活、学校、仕事、あらゆる場面で邪魔している可能性はかなりあります。
これがどの程度邪魔なのかは、その症状がとれてみないと分からない、そういうこもあります。
ADHDは保険適応の内服がある数少ない発達障害です。治療が自分の人生を大きくかえることもあります。
少しでも気になることがあれば、クリニックにご相談ください。
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