人見知りがまったくなく、育てるのに手がかからなかった、というのも注意は必要、名古屋の児童精神科医が解説
人見知りがまったくなく、育てるのに手がかからなかった、というのも注意は必要、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、人見知りがまったくなく、育てるのに手がかからなかった、というのも注意は必要、について解説します。
人見知りがない、と育てるのに手がかからないということ、あると思います。
知らない人、いったことない場所、にいっても泣かない、母親以外にあずけていってもぐずらない、など、人見知りがないとこういう場面で困ることが少なくなります。
それがだめとうわけではないのですが、人見知りがない、という1つの現象があったとして、その原因は一つではないということです。
大きく分けると、①本人の愛着の受信する力が弱い、②本人が極端に気を遣うことができる、の二つです。
①は自閉性スペクトラム障害、アスペルガー障害の中核症状である、対人相互性の障害があると、本人側の問題で養育者との間での愛着形成がうまくいかないことがあります。
そうすると、養育者から離れても分離不安や、人見知りがおきず、平気に過ごすということが起こります。
②は、もともと本人の気質としてすごい気を遣えることもあれば、養育者との関係の中でそうせざるを得なかった、ということもあります。
境界性パーソナリティ障害の原因となっている、不認証環境、が一つの典型的なパターンです。
どちらにしても、注意が必要な状態です。
ある一時期だけ、人見知りがない状態があるのは問題がないと思いますが、それが持続するとなると、①、②、どちらかの可能性があります。
もちろんだからといっても、学童期、青年期、成人期と、特に問題なく過ごしていくのであれば、扱う必要はないと思います。
しかしどこかのタイミングで、不適応を起こすようなことがあれば、それは①、②が原因となっている可能性はあります。
まとめ
今回は、人見知りがまったくなく、育てるのに手がかからなかった、というのも注意は必要、について解説しました。
つまり人見知りはある程度はあり、育てるのに手がかかる、のが一般的ということです。
うまくいかないことが発生していて、上記のようなことに当てはまれば一度クリニックまでご相談ください。
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