精神科薬・抗うつ薬の処方をどう減らすか
精神科薬・抗うつ薬の処方をどう減らすか 〇
ひとりの患者さんを継続的に診察していますと、
様々なタイミングで処方量が増えることがあります。
よく起こりうる例ですが、
〇冬の時期、抑うつが悪化したので抗うつ薬を増量する。
→春になっても、不安が残るため増量した処方量を継続とする。
〇不安時の頓服の内服回数が目立って増えたため、既存の抗うつ薬を増量した。
もしくは、エビリファイ(アリピプラゾール)、レキサルティ(ブレクスピプラゾール)など抗うつ薬の増強目的の抗精神病薬が足された。
無論、増量にいたる理由があって増えているわけですが、
2年に一度行われる診療報酬改定にて、向精神病薬の処方薬剤数の制限が設けられることは、
減薬にいたる良いきっかけだと思っています。
うつ病について言いますと、
まずは、
1剤を処方最大量までトライすること。(副作用等の事情で増量できないケースもある)
1剤を内服可能な最大量までトライしても効果が乏しければ、エビリファイやレキサルティなど(抗精神病薬)にて効果の増強を図る
抗精神病薬をプラスすると、うつ病による自尊心や思考力の低下から生じる妄想(心気妄想、貧困妄想、被害妄想、微小妄想など)も改善しやすい点がいいですね。
「なんか不安」という訴えがへるケースが多いです。
また、エビリファイやレキサルティは比較的眠気が少ないものの、夜間に内服すると、思考のループを止められる、不安が減る、イライラがへるといった理由で、寝つきの良くなる方も多いです。(睡眠剤が減らせる可能性がある。)
他には、向精神病薬以外の治療法を積極的に行うことを提案します。
・カウンセリング
・TMS
・月経前症候群の治療
(PMSの治療を婦人科にて行うことで、精神的に明らかに安定し、抗不安薬を減らせる方は少なくありません。)
セロクエル、オランザピンなど複数の受容体(ドパミン受容体、セロトニン受容体、アドレナリン受容体、ヒスタミン受容体など)に作用し、さまざまな効果をもたらすMARTAがうつ病でも処方可能であれば、と思うことはありますが現状適応はありません。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
丹羽亮平
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