広汎性発達障害、アスペルガー障害、自閉性スペクトラム障害、名前は色々あるが仕事で困ることは、名古屋の児童精神科医が解説。
広汎性発達障害、アスペルガー障害、自閉性スペクトラム障害、名前は色々あるが仕事で困ることは、名古屋の児童精神科医が解説。
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、広汎性発達障害、アスペルガー障害、自閉性スペクトラム障害、名前は色々あるが仕事で困ることは、について解説します。
これらの疾患は以下の三つの症状で成り立っています。
①対人相互性の障害
②イマジネーション障害
③コミュニケーション障害
そして、中核症状は①です。
①がないのに、②、③、だけがあっても、これらの診断はつきません。
①対人相互性の障害って何かといいますと、
一般的には、
対人相互性の障害とは、他人との社会的なやり取りにおいて、相互理解や共感を示すこと、適切な社会的応答をすることが困難である状態を指します。この障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害の特徴の一つとしてよく見られますが、他の条件や状況下でも生じ得ます。
特徴と表れ方
対人相互性の障害は以下のような形で表れることがあります:
非言語コミュニケーションの難しさ:体言語、目の接触、表情の読み取りや使用が困難である。
共感の欠如:他人の感情や見解を理解し、共感することが難しい。
社会的相互作用の理解に関する問題:社会的ルールや期待、ヒントを読み取るのが難しい。
関係性の構築と維持の困難:友情や職場での関係を築き、維持するのが難しい。
対人相互性の障害が与える影響
この障害は、個人の社会的な経験に大きな影響を与えることがあります。学校や職場、日常生活における対人関係において苦労することがあり、孤立感や理解されないという感覚を抱えることがあります。また、ストレスや不安、抑うつなどの精神的健康問題を引き起こす要因にもなり得ます。
対応とサポート
対人相互性の障害を持つ人々には、特定の社会スキルを学ぶためのトレーニングやセラピーが有益であることが多いです。これには、コミュニケーションスキルの向上、社会的相互作用のシナリオを通じた練習、共感や他者理解の感覚を高める活動などが含まれます。また、個別のニーズに合わせた教育や職場での調整も、その人が社会的な挑戦に対処するのを助けることができます。
と言われています。
簡単に言えば、他者の心の理解の障害、ということです。
心とは目に見えません。
その見えないものを、想像する力がない、あるいはかなり苦手、ということになります。
②、③は、ある人もいるし、ない人もいます。
イマジネーション障害の方が、分かりにくいと思います。
現実的なことの、先を予測する力です。
苦手なので、想定外のことが起きると、パニックになる方がいるのはそのせいです。
パターン認識は得意ですが、パターン外が発生すると、対応が困難なことがあります。
学校でも困りますが、仕事をするようになるとかなり困ります。
・空気が読めない
・集団での会議で話についていけない
・予想外の展開でパニック
・こだわりが強く、融通がきかない
・同時処理が苦手
・相手の立場になって考えるのが苦手
・日本独特の阿吽の呼吸は基本できない
などなど
日本的社会において、結構大変なことが多くなるわけです。
察しないといけないシーンが多くなり、それができないと会社に実害が及ぶことがでてくるからです。
このあたりのことで、なかなか自分やまわりの協力だけで乗り切ることができていないなら、児童精神科へご相談ください。
大人むけのコミュニケーショントレーニングもやっていますし、実際なんの症状がもっとも問題の中核なのかを見つけることで
対応策が見つかる可能性もあります。
医療法人永朋会 和光医院
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