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ASDの対人相互性の障害があると、仕事上でどのようなことで困るか、について名古屋の児童精神科医が解説

ASDの対人相互性の障害があると、仕事上でどのようなことで困るか、について名古屋の児童精神科医が解説

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

成人のASDもADHD同様、見逃されて違う診断がついている人が多いです。

ASDのメインの障害は対人相互性の障害ですが、これを見つけるのが難しいのかもしれません。

仕事での困り感はこのようなものがでます。

自閉スペクトラム症(ASD)の対人相互性の障害がある場合、仕事上でいくつかの困難に直面することがあります。対人相互性とは、他者とのコミュニケーションや社会的なやり取りにおいて、適切に応答したり、感情を共有したりする能力です。この能力に障害があると、以下のような具体的な問題が生じる可能性があります。

1. コミュニケーションの難しさ
非言語的コミュニケーションの理解:表情やジェスチャー、声のトーンなどの非言語的な手がかりを理解するのが難しいため、他者の感情や意図を読み取れないことがあります。
曖昧な指示への対応:あいまいな指示や暗黙の了解を理解するのが難しく、誤解を招いたり、期待に応えられなかったりすることがあります。
会話のタイミング:話し合いの際に適切なタイミングで発言したり、相手の話を遮らないようにするのが難しいことがあります。

2. チームワークの困難
共同作業の難しさ:他者と協力して作業を進めるのが難しいことがあります。チームメンバーとの意思疎通がうまくいかず、協力や調整が困難になることがあります。
役割の理解:自分の役割と他者の役割を理解し、適切に対応するのが難しいことがあり、結果としてチーム全体のパフォーマンスに影響を与えることがあります。

3. 職場の社会的ダイナミクスへの適応
職場文化の理解:職場特有の文化や慣習、暗黙のルールを理解し適応するのが難しいことがあります。これが原因で、周囲から浮いてしまったり、誤解を受けたりすることがあります。
人間関係の構築:同僚や上司と良好な人間関係を築くのが難しく、孤立感を感じたり、サポートが得られにくくなったりすることがあります。

4. ストレスの増加
誤解や対立の頻発:誤解が生じたり、対立が起こることが多く、これがストレスの増加につながります。長期的には、精神的な疲労やバーンアウトのリスクが高まることがあります。
適応の難しさ:変化や予測できない状況に対する適応が難しく、職場の環境や仕事の進行が変わると、それがストレスの原因になることがあります。

5. 評価やフィードバックの受け取り方
フィードバックの理解と対応:上司からのフィードバックや評価を理解するのが難しく、その意図を誤解することがあります。また、フィードバックをどのように自分の行動に反映させるべきかがわからないこともあります。

まとめ
ASDの対人相互性の障害がある場合、コミュニケーションの難しさやチームワークの困難、職場の社会的なダイナミクスへの適応など、さまざまな問題に直面することがあります。しかし、適切なサポートや職場の理解があれば、これらの困難を軽減し、効果的に仕事を進めることが可能です。職場での支援や、ASDに特化したトレーニングやコーチングが役立つ場合もあります。

自分を知ることでしか乗り越えられないこともあります。

そのためには診断が間違っていると先に進まないので、上記に当てはまる方は当院にご相談ください。

医療法人永朋会 和光医院
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