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起立性低血圧の治療について

起立性低血圧の治療について




 起立性低血圧の治療は、症状が改善し生活の質が向上することが目標です。







 まずは、前回ブログに記載したような、症状を誘発する行動や生活を見直すことが必要です。





 その上で、症状の改善が乏しく、日常生活に支障をみとめる時は薬物療法を考慮することになります。







 しかし、起立性低血圧の薬物治療の難しい点について、



 治療の目標が、起立時の血圧の低下を減らすことなので、少なからず起立時も臥位時(寝ている姿勢の時)も血圧があがります。



 もともと姿勢に伴う血圧調整能力が機能していない状態なので、臥位血圧の高い方が多く、薬物治療にて血圧を上げると臥位高血圧を引き起こすことがあります。

 この点には注意が必要です!!





 

 内服薬については、エビデンスレベルが高く日本にて保険適応が唯一ある「ミドドリン(メトリジン)」が第一選択となります。



 メトリジンは血液脳関門を通らず(脳に移行しない)、短時間作用型の選択的α1刺激薬になります。











 比較的安全な薬剤ですが、以下のリスクの可能性があります。





・高血圧に伴う副作用 → 臥位高血圧、心・血管系障害のリスクなど



・α1刺激作用に伴う副作用 → 排尿困難など



・交感神経刺激による副作用 → 副甲状腺・甲状腺疾患のある方にはリスク

 





起立性低血圧にお悩みの方はかかりつけ医への相談をお勧めします。





名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平

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