不登校の対応の難しさ デジタル依存症の対応
不登校の対応の難しさ デジタル依存症の対応
スダチ代表小川涼太郎氏の動画への感想(PIVOT) デジタル依存解消の難しさ
前回のブログにも記載しましたとおり、
現在の不登校・不登校の長期化にはゲーム依存・スマホ依存・動画依存などのデジタル依存症の影響が大きいです。
そのため、
デジタル依存を解消して、生活を規則正しい生活に戻すことができたら、不登校・社会復帰が改善するケースが多いです。
しかし、このことには実際問題難しいケースが多いです。
①前回も記載しました通り、
他の精神疾患を併発するケースは少なくありません。
不安が強い、強迫症状、パニック症状、妄想・幻聴、自傷他害など、精神症状とそれに伴う問題行動を認める際は、精神科受診を基本的に勧めたいです。
このような症状を認めるときには、不登校の治療に対する冷静な親子間の話し合いはできないですし、症状が不登校の時間経過とともに悪化に繋がることさえあります。
②デジタル依存症治療は非常に難しい。
依存症の治療は、アルコールでも薬物でも非常に難しいです。
まず、急性期として現在問題となる症状を改善するために依存物質を引き離すことが難しいですし、離脱症状をしばしば伴います。
成人でも依存症の改善は根気強さが必要ですが、自己制御能力が未熟なお子さんには一層困難さを感じます。
・スマホやゲーム機、パソコンを一時的に完全オフすること
を可能であれば、はじめはお願いします。
基本的には、社会復帰を目指してデジタル依存を解消するならば、
〇 いったんはデジタルオフをすること。
(ルールが守れるなら、友人からのメールチェックのため、朝・夕に決まった時間のみスマホを15分使用可能、など例外も考慮)
〇 日中は、デジタル刺激の代わりに、読書(漫画OK)、散歩、外出、運動などアナログで低刺激な生活を送っていただく。
このことが原則になります。
しかし、これらのデジタル機器を相手から奪おうとすると、あの手この手の交渉がお子さんから始まることが多いです。
・ゲームしか生きていく楽しみがないのに奪うの?
・ゲーム・動画を禁止するなら、学校には一生いかない!
・ゲーム・動画を禁止するなら、死んでやる!!
このようなお子さんからの抵抗を聞くことはとても多いですし、ご家族の心労は如何ばかりに辛いかと想像します。
また、一番恐ろしいことは、
親子でゲームをめぐり言い争いをするうちに、事故が起きて大けがを負うことです。
患者さんに中には、スマホをめぐり母といい合いになり、包丁を持ち出すお子さんがいました。 その時は、怪我はありませんでしたが、なにかのはずみで意図せず大怪我に至ることも予想されます。
自傷他害のリスクが高い時は入院にて治療することが優先されます。
また、現時点で、暴れているような状況では、警察を呼んででも安全を確保し、入院を考慮する必要があります。
しかし、実際なかなか家庭内で行える対応ではないことはわかっています。
不登校のお子さんのご家族では、デジタル依存について、とても困っている状況が多くみられます。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
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