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冬季うつ病 光療法。ロゼレム・抗うつ薬の注意点

冬季うつ病 光療法。ロゼレム・抗うつ薬の注意点

先週まで暖かかったのですが、最近急に寒くなりましたね。



毎年、この時期から抑うつ症状の悪化を認める方が少なくありません。





患者さんの中には、季節性の抑うつ症状への対応に慣れた方もいらっしゃり、

日の出時刻の遅くなる11月くらいから、遮光カーテンを開けて寝る方や、光照射を伴う目覚まし時計を使う方など、自身で対策されている方もおられます。











『光 目覚まし時計』の検索で光照射を伴う目覚まし時計が見つかります。







季節性うつ病は、日光を浴びることに関連したメラトニンとセロトニンのバランスが大きく関与していると言われますが、

基本的な治療の対応はうつ病と大きな変化はありませんが、光療法もお勧めします。









・規則正しい生活を心がける  



起床時にカーテンを開けて日光を浴びる、朝食や排便など、全身が覚醒するような朝の生活習慣が特に大事になります。



セロトニンの原料となるトリプトファンを多く含む食事を摂ることも良いかもしれません。(理論上は適切ですが、エビデンスは乏しい。)









・光療法

 高照度光療法について携帯型が販売されており、ご自宅でも利用が可能です。



 第3章 健康なくらしに寄与する光 2 光の治療的応用―光による生体リズム調節―:文部科学省  のサイトからの写真抜粋です。




図6 携帯タイプの高照度光療法器
携帯タイプの高照度光療法器











・薬物療法



抗うつ薬と必要により睡眠剤の処方を行います。



 



メラトニン製剤について



 「メラトニンの低下」が冬季うつ病の原因と言われており、これまで冬季うつ病に対するメラトニン摂取の治験が海外で行われましたが、現時点で効果のエビデンスは出ておりません。



 しかし、小児患者さんの冬季における不眠症状には、メラトニン(商品名:メラトベル)を処方することが多く、個人的な経験ですが、睡眠リズムの改善に良いと感じています。



 メラトベルの適応は「小児期の神経発達症の入眠困難の改善」しかありませんので、成人には処方できません。



 

 では、成人患者さんには、同様のメラトニン製剤としてラメルテオン(商品名 ロゼレム)を処方したらどうか?

 という意見もあると思いますが、一つ注意点があります。



 ロゼレムはCYP1A2が代謝に関わるため、CYP1A2を強く阻害する内服薬は併用禁忌になります。

 例えば、フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)です。

 

 フルボキサミンはうつ病、不安、強迫性症状にしばしば使う薬なので注意が必要です!!



名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平

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