ベルソムラとデエビゴの副作用 悪夢
ベルソムラとデエビゴの副作用 悪夢
ベルソムラのブログが連続していて投稿していたところ、
「ベルソムラの副作用で悪夢はなんで起きるのか?」
とご質問を診察にて伺いましたので、今回、取り上げます。
ベルソムラ(スボレキサント)もデエビゴ(レンボレキサント)もオレキシン受容体拮抗薬に分類される睡眠薬であり、覚醒維持作用をもつオレキシンの働きを抑制することで睡眠を促します。
その為、オレキシンの活動が抑制されることによって、夢を見るレム睡眠が増加し、睡眠サイクルや質に影響を及ぼすことで、悪夢が引き起こされると言われています。
また、オレキシン受容体への作用の点では、
オレキシン受容体には、OX1とOX2の二つがありますが、
デエビゴの方がノンレム睡眠に関与するOX2への選択性が高いです。
ベルソムラはOX1=OX2の選択性となります。
作用機序の違いはありますが、どちらも悪夢の副作用の発生率は1~1.5%と報告されており差はありません。
個人的な感覚では、より多くの患者さんから悪夢の副作用の報告を受けるのですが、
それは、あえて「悪夢はありませんか?」とこちらから聞いているからなのでしょうか、、
ちなみにオレキシンの作用に障害がでることで、覚醒維持ができず睡眠発作や情動脱力発作を引き起こす疾患がナルコレプシーです。
ベルソムラやデエビゴを内服することで、ナルコレプシー様症状を引き起こしそうな気がしますが、ナルコレプシーの副作用の報告は基本的にありません。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
名駅さこうメンタルはこちら