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ドクターズリレー第二回目 医療法人永朋会 名駅さこうメンタルクリニック 丹羽亮平先生

ドクターズリレー第二回目は、医療法人永朋会 名駅さこうメンタルクリニック 丹羽亮平先生です。

丹羽先生の略歴ですが

略歴
2001年 岐阜県立岐阜高校卒業
2008年 東京医科大学医学部医学科卒業
2009年 名鉄病院 臨床研修医
2011年 名古屋大学医学部付属病院 精神科・親と子どもの心療科 
2013年 特定医療法人共和会 共和病院
2017年 医療法人永朋会 名駅さこうメンタルクリニック 院長

丹羽先生は平成29年8月に名古屋市西区栄生にある医療法人永朋会 名駅さこうメンタルクリニック院長に就任されています。名駅さこうメンタルクリニックは、心療内科,精神科,児童精神科を専門としたクリニックで、医師、臨床心理士、看護師、作業療法士、管理栄養士、言語聴覚士、など多くの職種の方が勤務しており、患者さんのあらゆるライフステージの困りごとに対し、対応できる体制にしています。TMS治療など新しい治療法の導入も積極的に導入しています。
丹羽先生は大学卒業後に名鉄病院で初期臨床研修を行い、その後は名古屋大学精神科教室に入局しています。大学病院や精神科病院で臨床を行い、思春期から老年期まで多くの患者さんの治療を行っています。その経験をもとに、現在は地域医療に貢献しています。


以下が丹羽先生へのインタビュー内容です。


① 医師になりたいと思ったのはいつ頃ですか?
② 医師になりたいと思ったきっかけが何かありましたか?

父が内科の医師で、僕が小さい頃から開業をしていました。そのため医師がとても身近な職業でしたし、父が働く姿を近くで見ていたので、いつか自分も医師になるんだろうと自然に思うようになりました。はっきりと医師になると決めたのは高校生の頃で、そこから一生懸命勉強をしましたね。東京医科大学医学部卒業後は研修医として名鉄病院にて臨床研修を行い、その後は名古屋大学医学部付属病院の精神科・親と子どもの心療科にて勤務するなど、複数の病院でキャリアを積み、今年8月に開業しました。


③ 現在の診療科を選択した理由は?

研修医時代の経験がきっかけです。夜間救急で頭痛や腹痛で来られた患者さんを診ていると、いろいろ調べても原因がわからないということが結構あったんです。そんな時は心の状態に問題があるケースが多く、メンタルヘルスの重要性を痛感しました。それと実は、医学部時代の友人がパニック障害になり、留年することになってしまって……。身近な友人がそういう状態になってしまったことで、同じような悩みを持つ患者さんの助けになれたらいいなと思ったのもきっかけの一つとなりましたね。医療技術の進歩で日本人の平均寿命は延びましたが、心身ともに健康でないと長生きしても楽しく過ごせませんよね。患者さんが豊かに過ごすためのお手伝いができて、今の仕事にとてもやりがいを感じています。


④ 開業を決めた理由は

開業は学生時代から決めていました。病院勤務もとても魅力的ですが、開業医は自分の責任のもと患者さんに寄り添った診療ができますので。この場所は研修医時代にお世話になった名鉄病院も目の前で愛着もありますし、都会特有のストレスが多いかと思います。地域の皆さんに改めて医療で貢献したいと考え、ここでの開業を決めました。名古屋駅に近いのも決め手の一つとなりました。名鉄病院にいた頃、心療内科の少ない県外地域から多くの患者さんが足を運ばれていて。交通の便がいいこの場所なら患者さんが通いやすいと考えました。開業当初から、院長として1つ意識していることがあります。それはスタッフ一人ひとりの考えや気持ちをくみ取れるように、常にコミュニケーションをとること。チームワークや雰囲気が良いクリニックは連携も円滑に進むので、治療効果も生まれやすいと思うのです。だからこそ日頃のコミュニケーションは欠かせないものですね。

⑤ どのような患者さんが来られますか?

メンタルヘルスの疾患を全般的に診ていますが、一番力を入れているのが発達障害の患者さんです。発達障害は僕たちが子どもの頃からあったと思うのですが、落ち着きがないとか個性的などという表現で片付けられていたと思います。ですが発達障害が広く認知されたことで、お母さんがお子さんと一緒に受診するケースが増えました。発達障害は子どもの患者さんが多いと思われるかもしれませんが、実際は大人からご高齢の患者さんまで幅広い年齢層の患者さんが受診されています。当院では発達障害が調べられる心理検査を導入していますが、先日は新社会人になったばかりの方が、自分は注意欠如多動性障害(ADHD)かもしれないので診断してほしいと来院されました。メディアの影響もあってか、若い方を中心に精神科を受診するハードルが低くなったように感じます。

⑥ どのような治療をしていますか?

患者さんの中には、薬は飲み続けないといけないものと思われている方もいますが、そのようなことはありません。本当に悪い時には薬が必要ですが、それを少しずつ減らしていくことがとても大切です。そしてゼロに近づく頃からカウンセリングを始め、薬の必要ない状態にしていきます。心の不調は、考え方や行動が気分や体調に悪影響をおよぼしていることがあります。そこでポジティブな考え方や行動を習慣化して、自分で気分や体調をコントロールしていく認知行動療法を、カウンセリングと同時に取り入れています。また軽い不安や不眠などの場合には、漢方薬も有効です。患者さんの中には薬の副作用を心配される方も多いので、なるべく薬を使わず漢方薬と認知行動療法を組み合わせて治療を進めていくこともありますよ。

⑦ 現在の仕事をしていてやりがいを感じる時は?

病気だけに目を向けるのではなく、患者さんがどんなことに困っているのかを診ていくことを第一にしています。当たり前のことですが、患者さんも1人の人間です。病気の表層だけに目を向けるのではなく、一人ひとりの抱える本質的な悩みをひもとき、解決していくことが大切だと思うのです。そして心の病気は誰にでも起こりうる可能性があり、きちんと治療をすれば悩みを軽くすることができる。このことをきちんと伝えることも大切ですね。医師である私だって時には風邪をひきます。それくらい心の病気は誰にでも起こることで、きちんと治療すれば改善することのできるものだと思うのです。病気になってしまうと、もう治らないんじゃないかと孤独や不安にかられることもあるでしょうが、患者さんは決して独りではありません。患者さんに寄り添いながら、同時に踏み込みすぎないちょうどいい距離感を大事にしながら治療を進めていくことが大切ですね。
メンタルヘルスに精通した作業療法士や看護師が患者さんのお宅を訪問して、ご家庭での様子を観察します。例えば発達障害のお子さんの場合、家の中がどのような感じになっているだとか、両親との関係がどうなっているだとか、診察ではわからない普段の生活を直に目にすることができるので、治療にとても役立っています。また、認知症の方の場合、心が落ち込んだり攻撃的になったりすることがあるため、ご自宅で心の調子を整え症状を改善させます。精神科の訪問看護は医療保険ですので、介護保険のヘルパーを受けていてもできます。介護でお悩みの方は訪問看護を受けるメリットが大きいと思いますので、ぜひご相談ください。


⑧ 5年後の目標を教えてください

ニーズの高まりを感じていることもあり、さらに増築をしてカウンセリングルームを増やす予定です。ゆとりのあるスペースを確保して、患者さんがゆったりと話ができるようにしたいと考えています。他にも子どもがおもちゃ遊びを通して心を癒やしていく、そういう専門の部屋も作りたいですね。それと、精神科を受診するのはハードルが高いと感じている方が多いので、気軽に相談できる雰囲気づくりにもこだわりたいと思います。受診に抵抗のある方もいらっしゃると思いますが、最近は若い人を中心にカウンセリングや検査を受ける方が増えています。少しでも悩んでいることがあれば気軽に足を運んでいただきたいですね。


丹羽先生の人柄の良さがでているインタビュー内容だなと思います。
4月からはクリニックを増床し、現在の倍くらいになるようです。またクリニックから徒歩1分の場所に、児童発達支援・放課後等デイサービスWARPもはじまります。クリニックでは、医師、心理士、言語聴覚士の先生が増え、より多くの方にサービスを提供できる体制を作るようです。
また児童発達支援・放課後等デイサービスWARPでは集団療育、集団心理療法などを提供できるようです。

先生のインタビューにもでてきましたが、子どもから大人まで、すべての年齢、すべての疾患の方を対象として医療・福祉サービスを提供していこうとしているのが、非常に印象的です。訪問看護などのアウトリーチも積極的に行っていますし、電子カルテやアプリをうまく利用してスタッフ間で患者さんの情報を一元化できるようなシステムを構築しているところも、若い先生ならではの発想だと思います。

以上が丹羽先生のインタビューでした。

クリニック、福祉事業所の詳細についてはHPをご覧ください。
・医療法人永朋会 名駅さこうメンタルクリニック
https://meiekisakomentalclinic.com/

・児童発達支援・放課後等デイサービスWARP栄生
http://warp-eihoukai.com/sakou/


次回第三回は誰になるでしょうか。
楽しみにしていてください。

ドクターズリレー第二回 医療法人永朋会 名駅さこうメンタルクリニック院長 丹羽亮平先生