臨床情報「コレステロールって悪者?」
みなさんこんにちは
和光メンタルクリニック大阪中津 院長の白岩です。
今日はコレステロールのお話です。
コレステロールってすごく悪者扱いされていると思うのですが、みなさんのイメージはいかがですか?コレステロール高いと良くないと思っていませんか?
さらに言えば、コレステロールが高いということで、医者からお薬出されて、油ものは避けるように指導されている方いませんか?
検査会社にもよると思いますが、大抵の場合は総コレステロールの基準値は120-220くらいだと思います。でも、このグラフを見てください。実は一番死亡率の低いコレステロール値は180-280です。
逆にコレステロールが低いと死亡率が格段に上がります。もちろん高すぎも良くないです。
コレステロールが高いと動脈硬化のリスクがあがると言われています。しかし、コレステロールは各種ホルモンの大事な材料です。低いとホルモンが作れず、女性では生理不順の原因にもなります。ステロイドホルモンが低くなるとストレスにも弱くなって“うつ”っぽくてなったり、免疫が落ちて病弱になります。
コレステロールを下げるお薬はコエンザイムQ10の生成もブロックしますし、横紋筋融解という副作用もあります。
動脈硬化のリスクで気をつけるべきは糖質です。糖と脂質がくっついた時にできるAGEs(終末糖化産物)という厄介な奴が血管を攻撃して傷ついた血管をコレステロールがバンドエイドのようにペタッと蓋をするので、これが重なって血栓になるのです。ですから、血管に傷をつける原因となる糖質を減らせば、コレステロールは悪さをしません。
脂質とタンパク質はしっかり摂って、糖質を減らすことこそ大事なアプローチです。
和光メンタルクリニック大阪中津 院長 白岩恭一