臨床情報 「電子書籍と「紙の本」の比較 〜理解度や睡眠への影響〜 」
電子書籍と「紙の本」の比較 〜理解度や睡眠への影響〜
スマホ脳を読んで以降、人間の脳は現代の急速に発展するデジタル化に十分な適応ができていないと、日常でも実感することが多いです。
僕は普段、紙の本と電子書籍を両方使うのですが、意識してみると(以前から気がついていても、不都合な事実として意識に上らせていなかったのかもしれません。)読後の文章内容の理解は『本』の方が上回ると思っています。
それでも、持ち運びの便利さや収納スペースを取らないこと、値段が紙の本よりも大抵安いことから電子書籍を止めようとは思いません。
理論上も現在分かっている中では、紙の本の方が電子書籍に比較して様々な理由で良いことがわかっています。
まず、電子書籍のスクリーンを見続けるとブルーライトを浴び続けることになります。
その結果、ブルーライトの影響にて寝つきが悪化することは知られておりますが、それだけではなく、ブルーライトにてコルチゾールやグレリンが分泌されることによる影響もあります。
例えば、グレリンが過剰に分泌されると食欲を増進させ脂肪の貯蓄をしやすくなる可能性があるのです。
また、SNSやインターネットを活用しないKindleだけの活用ならまだ良いのかもしれませんが、ネットやSNSを同じデバイスで利用すると読書への集中力があがりませんね。
読書中に気になる単語をネット検索したりSNSをチェックしていると、注意力の切り替えが必要となり、読書への深い集中になかなか至りません。
丸ブルー紙媒体 VS パソコンについては、
授業のメモ書きについては、PCよりも手書きの方が、授業内容の理解度の高さに有意差があります。
PCの方が集中力が上がらず、記憶の固定化がされにくいため長期記憶として残らないそうです。
他にも、個人的には、スクリーンをタッチする質感や感覚も影響があるのではないかと思います。
つまり、本を読む読書は、「指で紙の質感を感じたり、ページを捲る動作を含めての体験」なのではないかと。
この感覚を含めた体験の違いが、読書の体験の理解度や記憶の深さに関わるのだろうと個人的に考えています。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平