臨床情報 「読書が苦手なお子さんに〜医学的な見地からの意見〜」
読書が苦手なお子さんに〜医学的な見地からの意見〜
巷の意見でもよく聞くことですが、『子供の知育には読書が良い』という話です。
このことには異論はありません。
読書は、想像力や思考力、ボキャブラリーや知識の豊富さにつながり、能動的に文を読み進める行為が集中力の向上にも影響するでしょう。継続することで学力にのみならずあらゆる分野にプラスに働くと考えられます。
しかし、読書嫌いのお子さんに本を読むことをおすすめしても、実践が難しいことがしばしばです。
その理由に、
・興味のある本が手元にない。(買えない、図書館等で借りられない。)
・読む習慣や時間がない。
・好きな本を見つけられない。
など、様々な理由があると思うのですが、
意外に見落とされがちなのは、「見る力の苦手さ」です。
つまり、文章を目で追い続けられない。目で文を追うことに疲れやすい。集中力が続かない。
こういった症状は、注意欠如多動症(ADHD)や学習障害(LD)の傾向をお持ちの方にしばしばみとめるお悩みですが、
・見る力:共同眼球運動(見たい対象物に動きを合わせる力)
両眼視や調節の能力(両目のチームワークやピントを合わせる力)
・見る力をキープする力:集中力
これらが一つでもかけると、読書はなかなか難しさを感じられると思います。
読書の苦手なお子さんで、
黒板書きに時間がかかる、文章の読み飛ばしが多い、
また、落ち着いてじっとしていられない方などは、上記にて読書の難しさがあるのかもしれません。
対策については、次回ブログにて!
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平