臨床情報 「サプリメントで精神疾患はよくならないか②」
サプリメントで精神疾患はよくならないか②
前回ブログの続きです。
精神疾患の改善効果をもつサプリメントの筆頭はオメガ3系脂肪酸になります。
オメガ3系脂肪酸とは具体的に、青魚に多く含まれる EPA と DHA、また、亜麻仁油、エゴマ油、サチャインチ油、チアシー ド油などに多く含まれる αリノレン酸です。
大規模試験にて特にEPA・DHAについてデータが揃っており、従来言われているとおり心血管系疾患のリスク低下や、ほかに関節リウマチの症状の緩和を認めます。
メカニズムはEPA・DHAのもたらす抗炎症効果と考えられますが詳細はわかっていません。
昨今、うつ病もストレスに伴う脳内炎症による内側前頭前皮質の神経細胞の機能変化が言われています。
抗炎症効果をもつEPA・DHAが抑うつや不安に効果をもつことは感覚的には了解できます。
EPA/DHAのうち特にEPAが効果をもち、抑うつの予防効果やトラウマの改善、その他気分障害の改善や認知症への効果が研究により言われています。
厚生省ホームページではEPA内服による上記疾患への健康効果について紹介されておりますが、サプリメントを内服することによる効果は明言されていません。
厚生労働省eJIM | オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと | コミュニケーション | 「統合医療」情報発信サイト
「統合医療」情報発信サイトの「コミュニケーション(医療関係者へ)」のページです。「「統合医療」情報発信サイトは、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法*と、どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、エビデンス(根拠)に基づいた情報を紹介しています。決して個人の責任で実施するさまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるも…
リンク
www.ejim.ncgg.go.jp
個人的には、添加物や化学合成物が少なく継続内服することの安全性が高いうえ、EPA含有量が高く、また値段が妥当なサプリメントがあれば内服を勧めたいです。
インターネットでも参照できる論文を一つ紹介します。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbpjjpp/31/1/31_25/_pdf
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平