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臨床情報 「むずむず脚症候群の治療」

むずむず脚症候群の治療

むずむず脚症候群 についてのブログの続きになります。


『子供の不眠の原因としての「むずむず足症候群」』
むずむず足症候群Restless legs症候群(RLS) について むずむず足症候群の診断基準は以下 1.脚を動かしたいという強い欲求が存在し、また通常その…
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まず、むずむず脚症候群は、脳内で適切にドーパミンが使うことができずに起こる症状です。



・もともとそういった体質をお持ちの方

・パーキンソン病、ADHDなどの適切にドーパミン利用を行うことが苦手な疾患のある方

・ドーパミンの原料となる鉄不足のある方(貧血、過多月経、妊娠中、人工透析中の方)



に起こりやすいです。

さて治療について、



まず薬物治療以外の提案として、



・鉄の補給。

・カフェイン、アルコール、喫煙をやめる。症状の悪化につながりますし、カフェインは鉄の吸収を阻害します。

・基礎疾患の治療


しかし、なかなか上記の対応では良くならない方も多いと思います。

現在は非常によく効くお薬がありますので、ぜひ内服薬を考慮していただきたいです。





薬物治療


 むずむず脚症候群の治療薬は、ドパミン系薬剤が第一選択となります。(商品名:ビ・シフロール、ニュープロパッチ、レグナイト)脳の視床下部におけるドパミンの働きを改善する作用があります。

 服薬1カ月以内で半数〜70%の患者さんの症状の改善を認めたという報告あり、効果は非常に期待できます。





 ベンゾジアゼビン系薬剤

 古典的に抗不安薬、睡眠薬のジャンル。むずむず脚症候群の症状そのものを改善しなくとも、催眠効果と抗不安効果にて落ち着いて眠ることができます。





また、ドパミン系薬剤を急に増やすと、むずむず脚症候群の症状が悪化するオーグメンテーションという悪化現象が起こる場合があります。注意して増量に当たらないといけないですね。




名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平