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臨床情報 「コンサータについて 不注意への高い効果 ADHD薬①」

コンサータについて 不注意への高い効果 ADHD薬①

前回のブログの続きです。

『ADHDは薬で改善しうる ADHD薬4剤』
改めて、現在処方可能なADHD治療薬の4剤について書かせていただきます。  不登校、学業、交友関係などに不安を感じていらっしゃる未成年の患者さん、対人交流や…
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まず、コンサータ「メチルフェニデート」について



○基本的な特徴

・「中枢神経刺激薬」です。

 脳内の神経間のドーパミンの再取り込みを阻害することにより、ドーパミンが受容体に結びつきやすくなることで、ADHDの症状を改善させます。



○良い点について



・不注意、多動・衝動性にシャープな効果があります。

 日中の学校生活や仕事のトラブルなど、これまで他の治療(環境調整や他の薬物療法)を尽くしても改善が難しかった症状に対して、著効する可能性があります。



 効果はおよそ12時間。(診療における実感としては10〜12時間) 

⇨おもに日中の症状への効果です。



・集中力が増す。(授業をじっくり聴けるようになる)

・いやなことに向き合いやすい(⇨宿題をやるようになる。不登校の改善にも効果がある。)。

・眠気を飛ばす。(つまり、内服時間が遅くなると、寝つきがわるくなる恐れあり。)

・テキパキ動きやすくなる。

・イライラが減る。

・気分の変調が減る。

・話をじっくり聴けるようになる。



○悪い点について



・副作用のリスクがある。



 以下の人は基本的に処方できません。



 ・過度の不安、緊張、興奮性のある人
 ・閉塞隅角緑内障の人
 ・甲状腺機能亢進のある人
 ・不整頻拍、狭心症のある人

 ・過去にコンサータ錠に含まれる成分で過敏症のあった人

 ・運動性チックのある人

 ・重いうつ病のある人
 ・褐色細胞腫のある人

 ・モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤を飲んでいる、または飲むのをやめてから 14 日以内の人



  頻度は多くはないですが重篤な副作用・・不整脈、脳血管障害

  重篤ではないけれど、しばしば起こる副作用(内服開始のころが一番出やすいです)・・吐き気、頭痛、めまい、食欲不振



・ネガティブなイメージがあること

  

 同様の成分を含んでいた「リタリン」が過去に乱用が問題となったこともあり、コンサータも一般的にあまり良いイメージがないのではないでしょうか?

現在は、違法な乱用を防ぐために流通規制委員会が設置されており、登録された医師のみがコンサータを処方可能であり、患者さんもコンサータを処方する際は登録する必要があります。





次のブログに続きます。



名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平