臨床情報 「デジタル機器の適切な利用について 〜メタバースの月面旅行」
デジタル機器の適切な利用について 〜メタバースの月面旅行
「STILL ALIVE 国際芸術祭 あいち2022」に行きました。
特筆すべきは、VR作品 「トゥー・ザ・ムーン」。
低重力を感じながら月面旅行を味わうことができ、説明ぬきの面白さでした。
月面を飛んだり跳ねたりすることが体感できます。
この作品は、オキュラスクエストを使用したものでしたが、このようなメタバース空間には僕も非常に興味があるところです。
東京大学でも「メタバース工学部」を設立し、正式な学部としてではなくオンラインを利用し中高生を含めて開けた利用を可能とする予定のようです。
仮想空間は、今後、商業分野、教育分野、文化芸術分野など多様に展開することが予想されます。
しかし、診療を通じて普段からネット依存、スマホ依存、ゲーム依存などのデジタル刺激の危険性を認識している立場としては複雑なものがあります。
患者さんやそのご家族からは、デジタル機器の利用はもうすでに生活からは切り離せないものですが、どのような使用が良くて、どのような使用が危険なのかよく聞かれます。
単純にいうと、
人間がデジタル機器を利用して課題や作業に取り組むことは基本的に問題無い。
(例えば、
YOUYUBEにて必要な情報を取り入れて課題に生かす。
ネットにて情報検索してレポートを作成する。
メタバース空間にて建物を製作する作業に取り組む。など)
人間がデジタル機器に無意識化に利用されている状態は、依存のリスクが高いです。
(ネットサーフィン、SNS、ゲームで時間つぶしをする。目的はないが、とりあえず携帯をさわっていないと落ち着かない。など)
しかし、幼児期のスマホ利用やゲーム利用についてはある程度、国の指導にて制限があってもよいのではないかとも思います。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平