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臨床情報 「TMS(磁気刺激療法)の難点、実際の提案」

TMS(磁気刺激療法)の難点、実際の提案


『コロナ後のブレインフォグ症状にTMS(磁気刺激療法)』
前回ブログの続きです。 『コロナ後のブレインフォグ症状について』コロナウイルス感染後のいわゆるブレインフォグ症状に対しTMSを行い、症状が改善したケースが増…
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ameblo.jp



上記ブログの補足ですが、、





磁気刺激療法は副作用が少なく、(通院頻度にもよりますが)効果の立ち上がりのよい治療です。



また、「神経機能を正常化する」という効果なので、非常に広範な脳機能改善効果が期待されます。





期待される効果:抑うつ、不安、強迫症状、トラウマの改善、ワーキングメモリー(認知機能)の改善、慢性疼痛症状など









しかし、難点をあげるならば、費用の問題と通院頻度の問題があり、皆さんのためらうところではないでしょうか。



・保険外診療がほとんど

・十分な効果を得るためにはたくさん通院しないといけない。





 個人的に、、

 効果と副作用だけで考えるならば、治療の第一選択としてTMSを選ぶのはとても良いと思います。



 しかし、費用や通院頻度を考慮すると、





・抑うつ・不安・強迫症状などのセロトニン系障害が中心の症状なら、まずは抗うつ薬メインの薬物療法で推してみる。

→効果が不十分ならTMS考慮。



・不安症状や気分症状以外にも、認知機能障害や疼痛性障害を認めるなら、薬物療法 or/and TMSを積極的に勧めたいです。





 TMSについて悩まれている方は、数回のお試しをトライしてから、本格的な治療を検討してもよいと思います。

(TMSを数回トライするだけでも、効果の持続はしないですが治療効果の実感がある方は多いです。)









名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平