臨床情報 「ギフテッド児への環境の提案」
ギフテッド児への環境の提案
ギフテッドのお子さんについて、以下のことを考えて、実際に利用できる環境はどのようなものがあるか、簡単に書いていきます。
できれば、それぞれの能力に合わせて、①②を満たす環境を設定できないか考えます。
①いわゆる学力など、知的能力を個人に合わせて伸ばすこと。
興味や希望に応じて、分野別に特化した知識や能力を伸ばすこと。
②対人能力や感情のコントロール、規則正しい生活など、気持ちよく社会で暮らせるようなスキルを伸ばすこと。
環境について
気持ちよく社会生活を送れて対人交流できる場所、かつ規則正しく定期的に利用できる場所を見つけることが極めて重要です。
地域により、選択肢は大きく異なります。
☆定期的に毎日〜週数日、規則正しく利用できる環境であること
☆居心地よく社会生活や対人交流が行える場所であること
右矢印 選択肢としてあげられるもの
・地元の公立校 普通級
・地元の公立校 支援級
・地域の不登校児への支援教室
(系統的に学習したり、授業はない。しかし出席日数にカウントされるケースが多い)
・民間の放課後デイサービス・フリースクール
(理解のあるスタッフが多く居心地は良いことが多い。送迎のバスがあることが多い。
しかし、学習支援は施設によって異なる。 出席日数にカウントされない。)
・塾
環境としては、地域により利用できるリソースが異なるため一概には言えませんが、
上記の選択肢にオンラインや通信制の学力支援サービス(塾など)を組み合わせることが現実的だと思います。
また、
ギフテッドの子供同士が繋がりあえるオンラインサイトや、ギフテッド児の育成を目的にしたプログラム、奨学金などのサポート(旧異才発掘プロジェクトROCKET。LEARNなど)も多くはありませんが存在します。
特異な能力のサポートを受け伸ばすことができたり、興味のあることで会話を行う対人交流の良い場所になります。
学校教育のような連日、規則正しく、系統的な学習のあるプログラムのようなものではないですが、お子さんに合うサイトがあればぜひ利用を検討することをお勧めします。
LEARN
リンク
learn-project.com
欧米ではホームスクーリングも日本より一般的ではありますが、まだ日本では安定したレベルの学習内容を保障したカリキュラムはありません。
上記の施設の利用なく、家庭でギフテッド教育を行いながら社会性・対人交流スキルをあげていくことは、おそらくご家族のギフテッド教育に対する知識や多大な労作が必要だと思っています。
名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平