臨床情報 「進学校には潜在的ギフテッドの方が多い。~ギフテッドと中学受験」
進学校には潜在的ギフテッドの方が多い。~ギフテッドと中学受験
日本において、これまで天才児教育(ギフテッド教育)が大きく取り上げられなかった要因として、中学受験の存在があると思っています。
全国的に有名な私立中学校は、塾の情報サイトにて「偏差値70以上」と表記されているところがありますが、ギフテッドのひとつの目安となる知能検査IQ 130(ウィスクラー式)は塾の模試の偏差値に換算すると、偏差値70に対応します。
ちなみに、WISC式 IQ 約122は、 偏差値65に対応します。
(知能検査と塾の模試の偏差値はむろんテスト内容は異なりますが、相関があることは予想されます。)
つまり、いわゆる進学校には、IQという点ではギフテッド相当の方が多くいらっしゃいます。
(正式なギフテッドの診断は、高IQだけではなく、音楽、美術、数学、科学など特定の分野への非凡な才能が不可欠になります。)
日本では天才児教育への理解が進んでいないという意見もありますが、中学受験(地域により高校受験)にて選抜されて、進学校にて特殊な教育が行われることは、天才児教育の一環だと思っています。
しかし、問題点というなれば、
・中学受験のシステムにうまく乗れないギフテッドのお子さんがいること。(2Eのお子さん。また、地域に通うことができる進学校の私立中学がないこと、など。)
・選抜された先の進学校では、学力をのばす指導が優先され、音楽・美術・学問の特定の分野を伸ばすギフテッド教育はおこなっていない学校が多いこと。
中学受験は、現行の日本の教育システムでは、一番アクセスしやすいギフテッド教育のひとつだと思います。
ギフテッド教育に対して、現行の中学受験のシステムを生かして教育内容を臨機応変に変えることなどが、現実的な対応策ではないかと思っています。
ギフテッドの2Eのお子さんについて
・ギフテッドへの誤解 治療の可能性を | 大人と子ども こころの専門医ブログ〜名駅さこうメンタルクリニック (ameblo.jp)
・ギフテッドにて悩むお子さんへの支援① 具体例 | 大人と子ども こころの専門医ブログ〜名駅さこうメンタルクリニック (ameblo.jp)
名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平