臨床情報 「サッカー・野球で対人交流の改善? ADHD・ASDのお稽古」
サッカー・野球で対人交流の改善? ADHD・ASDのお稽古
昨日のサッカーW杯 コスタリカ戦は本当に残念でした
最近はニュースでもW杯のことをよく耳にしますが、
診察室でも、サッカーなどのお稽古について意見を求められることがあります。
ADHD・発達障害児のお稽古で何かおススメはありますか?
というご相談です。
まず、有酸素運動を習慣として行うことは、ADHDや発達障害における、不注意・集中力の改善、認知機能(学業など)の向上、社会機能の改善(カッとなりやすいのが改善する、など)が言われており、体を動かすお稽古は非常に良いことだと思っています。
しかし、お稽古としておこなうスポーツは何が良いかと聞かれると、難しいところがあります。
集団スポーツを行うと、コミュニケーション能力、対人スキルが向上するか?
→ 一概にはそうとは言えないと思います。
対人コミュニケーションスキルの向上の方法として言われているものにSST(ソーシャルスキルトレーニング)といったカウンセリング、演劇体験などがあります。
しかし、学校生活や部活動、学童など日常の集団生活の中で、対人交流の苦手さを克服することを目指すのは容易ではありません。
集団の中で過ごすことで、むしろトラブルを招いたり、うまく馴染めないことで自己肯定感の低下や対人交流の苦手意識の悪化につながることはすくなくありません。
対人スキルの向上は、集団生活における成功体験を繰り返すことにより期待できます。つまり、楽しく有意義に集団生活が行えていると、対人スキルの向上に繋がります。
これは矛盾しているように感じる話ですが、
「苦手な対人交流を改善するには、対人交流を成功する体験をくりかえすこと」が大事だと思っています。
そのため、特性に理解あるスタッフがトラブルが起きないようにうまく配慮したり、気持ちよく過ごせるような環境づくりを行うこと、トラブルが起きた時の介入の行い方、などの、
スタッフやチームの環境による点が大きいと思います。
「スタッフやチームの雰囲気、練習メニューがどのような感じか?」
をやはり見極めることだと思います。
トラブルが少ないのは、確かに個人競技の方です。
例えば、水泳、ダンスなど
もしもコミュニケーションスキルの向上を期待するなら、やはり、演劇が非常にお勧めです。
欧米の学校教育では表現力、創造性、対人能力の向上として一般的に行われています。
〇「脳を鍛えるには運動しかない!」運動にて、学力・知能・集中力向上、精神疾患の軽減が望める (meiekisakomentalclinic.com)
〇自傷〜多動〜抜毛・爪むしりなどの関連。ガム噛み。 (meiekisakomentalclinic.com)
名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平