強迫、しかし確認して、うれしい、は違う
強迫、しかし確認して、うれしい、は違う
強迫障害は、起きている間中、そのことに悩む可能性があるので、結構大変な病気です。
強迫観念、と、強迫行為、の両方をともなっています
しかし大事なのは、本人が、とにかくそのことに理不尽さを感じており、困っているということです。
例えば、鍵がしまっているか何度も確認して、それが不必要なことなのに、なんで確認しなくてはいけないんだ、と思っているのと、確認して、「よし、確認してすっきり」というのは違うということです。
強迫、と、こだわり、は確認するという行為自体は一緒なので、結構まぎらわしいです。
しかも、こどわりであっても、聞くと、強迫観念のようなことは口にしますから、余計分かりにくいときがあります。
困り具合はもちろん人それぞれなので、程度の比較はできませんが、こだわりでやっている人は、なんか確認行為にしっくりきている感じがあるのです。
よしっ、やってやったぞ、みたいな感じです。
それを本人が口にしないことが多いのですが、それを話しているときの、態度とか、雰囲気に、そういうものがみじみでているのです。
こだわりは、広汎性発達障害(PDD)の症状の一部として、認められることがあります。
人から、それって強迫じゃない、と言われて、こだわりを強迫と認識して病院にこられる方も結構いました。
それはこだわりですよ、といっても、うまく伝わらないので、このあたりは時間をかけて伝える工夫が必要です。
もちろん、強迫性障害+広汎性発達障害、ということもあり得るのですが、そうでないことの方が多い印象です。
こだわり要素が強い時に、薬を使っても、もちろん効果ない、ことが多いはずです。
こだわりの回数が増えている場合は、むしろ、それ以外の場面でのストレスが反映している可能性があり、その原因にPDDがからんでいることも多いです。
ということで、強迫も、ひとくくりにはできない、ことを覚えておきましょう。
医療法人永朋会 理事長
加藤晃司