「冒険の書 AI時代のアンラーニング」
「冒険の書 AI時代のアンラーニング」
話題になっている「冒険の書 AI時代のアンラーニング」を読了しました。
一口でいうと、非常に良書でした!!
なぜ勉強するのか? なぜ学校に行かないといけないのか?
という問いからはじまるのですが、
孫さんとともに、思考の中で湧き上がってくるたくさんの問いを
教育・社会・哲学の歴史家にインタビューしながら考える過程を繰り返し、
本題へと深めていきます。
現在の日本における教育問題がシステムとして制度疲弊し、今の時代にそぐわなくなっていることは実感しておりましたが、
この本にて漠然と感じていたことがあぶり出されたと思います。
「問いを立てて、調べて考えをまとめる」ことを繰り返し思考深めていく過程も面白いのですが、最終的な結論にも感嘆しました。
(著者がこの作品を書き上げるのに数年を要したとのことですが、この思考の探求には確かに年月を要することが分かります。)
具体的には、
例えば、「メリトクラシー」(≒能力主義、実績主義)について記載のある章があります。
メリクトクラシーには以下の3つの要素があります。
1、職業や社会的地位は才能や努力に応じて誰でも出世できること →機会の平等
そのため学校では学力を上げることが優先される。
2、人それぞれの能力に見合った教育の環境や機会を平等に提供すること →能力別学習
3、実績や業績を重視する →実績主義
この考えが一般的に浸透し、学校教育でも採用されているわけですが、
本当にメリトクラシー社会にて、平等でより幸福度が高いものなのか?
能力主義を超えるより、みんなが納得する良いよい教育・社会システムがあるのか?
それはどのようなものか?
といった話の展開になります。
壮大なテーマなので、「冒険の書」という題名が腑に落ちます。
ぜひおすすめしたい一冊です。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平