不注意症状、結構きがついていないところで邪魔している
不注意症状、結構きがついていないところで邪魔している
ADHDという疾患がありますが、その主症状が不注意、と言われるものです。
不注意症状、といわれてもなんかピンとこないところあります。
シンプルなところだと、集中力が続かない、気が散る、忘れっぽい、忘れ物する、スケジュール管理・時間管理が苦手、ぼーとする、このあたりでしょうか
分かりにくいところだと、同時処理が苦手、感覚の同時処理が苦手な人も結構います、しゃべりながら、聞く、見ながら、動作をする、複数の知覚神経、運動神経を混在させると、混線する感じでしょうか。
何かをみながら、聞くと、聞く方の情報がうまく入ってない、という人も結構います。
この感覚の同時処理、が改善すると、こちらから指摘しないと、これが改善されていることに気が付かない方もいます
プレゼンテーション、会議、授業、ディスカッション、運転、集団スポーツ、複数の視覚情報、音声情報、そして動作が必要とされるこれらのイベントは、けっこおう不注意症状がじゃましています。
治療で不注意が改善したときに、このような同時処理がかなり必要となる場面で、どのくらい以前の自分と比較して、変わりがあるか、確認してみると、結構違いがでている可能性あります。
右脳と左脳を脳梁がつないでいて、同時に動かすのにも、不注意は邪魔しているのではないかとにらんでいます。
脳はすべての能力はつかわれていない、と言われています
となると、不注意症状をつかさどっている神経系の動きがちょっと悪かったとしても、治療でその神経系が活性化したら、その状態を脳は記憶することができるんじゃないか、それくらいのポテンシャルがあるんじゃないのか、と思っています。
内服の効果は一時的ですが、それによって体感した感覚って、いままでに体験していないのであれば、その感覚は自分の体と脳に、残るはずです。
そして不注意が改善しているときに獲得した、現実での知識、経験、成功体験、自信とかは確実に自分に蓄積されていきます。
それは大人も、子どもも変わりないはずです
気合や努力では変えることができなかったことを、変化させるきっかけになるなら、治療は使いようだと思います。
私が医師になったばかりのころは、ADHDの治療薬はまだ日本にありませんでした。
そのときと比べると、飛躍的にADHD治療は先に進んだと思います。
薬を開発した人たち、ADHDだけじゃないですけど、ほんとにすごいですよね。
医療法人永朋会 理事長
加藤晃司