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0か100、の極端な思考パターンについて

0か100、の極端な思考パターンについて

0,か100,いいか、悪いか、両極端な思考パターンをとってしまいがちな人、それが主訴でクリニックにこなかたっとしても、本質的な問題にこの極端な思考パターンがある方、たまにいます。

思考パターンは、そのまま行動にももちろんつながります。

例えば、対人関係においても、0か100,遠いか、近いか、もしくは遠すぎるか、近すぎるか、という極端なパターンをとってしまうことがあります。

そしてある程度失敗を繰り返しながらも自分で失敗体験からなんとかしようとした方は、基本的には近づきすぎて失敗するパターンが多いはずなので、遠い距離感を誰とでもとろうしているように思います。
まあ、そういう方は、よほど自分にはコントロールができない大きなイベントが発生したりしない限り、クリニックにくることはないことが多いです。

対人関係での失敗は、特に社会人ともなれば、距離が遠すぎて不自然だったとしても、トラブルには発展しにくいからです。

距離感が近づいてくると、この0、100の極端な思考パターンをその相手に発揮することになりますから、がまんしすぎる、時に、要求しすぎる、ということを繰り返してしまうと、相手からすると何だこの人は、となりますから、仕事でも、プライベートでも、持続的な関係を維持することが難しいことが多くなります。

気合がはいっている方だと、0、j自分が我慢する、一辺倒でプライベートの生活、社会的な生活を過ごしている方がいます。
ほんとに気合はいっていると、人生のラストまでとにかく我慢する、という1パターンで過ごしていってしまう方もいます。

が、通常我慢する、0、一辺倒だと、どこかで自我機能が低下していきますから、元気なくなったり、なんだか調子が悪い、生きている実感がしない、といった感じになってしまうことがあります。

0、100,の思考パターンは、基本的には養育者(主に母親)との0歳からの関わりによって、形成されていったものです。
つまり根深い問題です。

これを修正するには、まずは0,100の思考パターンにどうやったらなっていってしまうのか、原因を知り、過去をたどれるだけたどって、現在の自分へそのことを当てまめることができてはじめてトレーニング可能です。
0,100ではなく、10、30、45、77、みたいに間をとる、落としどころをみるける、という作業を治療者とともに行っていくことになります。
そしてそれが治療者とできるようになってきたら、自分のリアルな生活の周りにいる人に、同じようなことを展開できるようにしていく、という感じです。


文章で書くと、さらっとしていますが、実際の作業は時間もかかりますし、ストレスもかかるので、結構お互い大変です。

ですが、ほんどの人は、自分がなんでこのような思考になってしまうのか、分からないまま人生は過ぎていきます。

ですので、何かきっかけがあって、自分をかえないといけないと思った人は、運があると思うので、頑張ってとりくんでもらいたいです。

医療法人永朋会 理事長
加藤晃司