不登校、学校の行き渋りに悩まれる患者さん、ご家族に
不登校、学校の行き渋りに悩まれる患者さん、ご家族に
もう8月も下旬だと思うと毎日すぎるのが早いものですね。
夏休みの期間、非常に診察が込み合っており、初診患者さんの依頼が増える一方で予約が取りにくく心苦しく感じております。
児童患者さんでは不登校を主訴に来院されるケースが少なくありませんが、もうすぐ新学期が始まることにご不安を感じている患者さん、ご家族が多いと思います。
また、夏休み明けの時期は、不登校の起こりやすいことだけではなく、例年、お子さんの自殺が増えるなど精神的に崩しやすい時期でもあります。
学校生活や精神的な面で悩まれるお子さん、ご家族におこがましいようですが簡単なアドバイスをするならば、
・生活のリズムの改善
非常に基本的なことですが大事なことです。
生活の乱れが原因で起床困難となり不登校に至ることや、夜更かしが原因で精神的に不安や抑うつ気分が悪化することが少なくありません。
「生活リズムの乱れ」は、「ゲームやスマホの長時間の使用」の問題とセットであることが多いです。
夜間のデジタル機器の利用で入眠時間が遅くなり、起床困難になることが多いです。
また、スマホやSNSの(特に夜間の)利用は不安、抑うつの悪化にもつながります。
夏休み中にデジタル利用の時間の伸びたお子さんは多いと思いますが、徐々に利用時間を減らしたり、夜間の使用を見直すことを勧めます。
今年の夏は熱中症警戒にて外出を控えた方が多く、デジタル機器の利用が増したケースが多いです。
ぜひ、生活リズムの乱れを見直すこと、また、ゲーム・スマホ使用時間について考えるを勧めます。
・夏休みの宿題ができていない。 夏休み明けのテスト勉強はできていない。
課題を満たしていないことに不安を感じられ登校することに抵抗感を感じている方や、自身に否定的に感じてしまう方は多くいらっしゃいます。
→非常に悩まれている様子なら、「気になくて良い、大丈夫」という肯定的な対応を
学生という立場や現在の状況では課題を行わないことが非常に良くないことのように感じられるかもしれませんが、長期的な視点では、「学生時代の課題」とは小さいことです。
ささいなことですが、不登校、抑うつや不安悪化のトリガーにはなりえます。
可能なら担任の先生からも肯定的な声掛けがあってもいいかもしれません。
課題や勉強はやる方が無論良いですが、できなくても否定することはありません。
皆様が心穏やかに新学期を過ごせることをお祈りします。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平