チック症状にADHD薬のインチュニブ
チック症状にADHD薬のインチュニブ
チック症とは、
無意識に特定の動作や音を繰り返し行う症状を特徴とする神経学的な障害です。
1. チック症状は主に音声チックと運動性チックに分かれます。
- 音声チック:発声に関連し、咳払い、のどを鳴らす、単語や文を繰り返すなど、音を出す動作が含まれます。
- 運動チック:体の一部を無意識に動かす症状で、頭を振る、肩をすくめる、腕を振るなどがあります。
3. 原因:生来の ドーパミンなど神経伝達の不均衡を認めるケースがしばしばあり、そのうえで、ストレスや不安が重なるとチック症状が悪化することがあります。
また、TVやゲーム、動画など脳への負荷が強いデバイスを使用中もチックが悪化することがあります。
治療としては、ストレスに関連してチック症状が悪化する際は、ご家族や学校の教師と話しながらストレスを減らす環境を作ることをまず行います。
しかし、症状が環境調整だけでは治まらないときや重篤な時は薬物療法を行います。
まずは、エビデンスがありチックに対して使用件数の多い、抗精神病薬(リスパダール、エビリファイなど)がよく使われますが、効果のでる内服量では、眠気や倦怠感などが起こりえることがあります。
チック症状は交感神経系の不均衡が原因であるため、よくADHDと合併しますが、
ADHDに対して処方されるインチュニブもチックによく効きます。
衝動性、イライラ、不機嫌などの改善も同時に見込まれるため、ADHDが背景にあるチックの方には非常に重宝する薬です。
*注意欠如多動症(ADHD)の薬の説明のまとめ
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平