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抜毛について、罪悪感とは

抜毛について、罪悪感とは

抜毛、自分で自分の毛をぬいてしまう行為、主訴として来られる方もいますが、途中でそのことにこちらが気が付くこともあります。

抜いてしまうのは、頭髪だけではなく、まつげ、まゆげ、ひげ、などなど、ありとあらゆる毛を抜いている子もいました。

ASDの子で、途中からそれに対してこだわりがでてしまっている子もいました、そういう子は本人がやりたくてやっている感覚があるので、なんとなくそこは困っていない、という感じがでています。
自我機能が低下していないというか、精神的なエネルギーは足りています、ということです。

そうでなければ、基本的には自傷行為という枠でとらえてあげた方がいい子が多かったと思います。

抜くとなぜか分からないけど、すっきりする、気持ちがすっとなる、落ち着く、といった感覚があることが多いです。

なので基本的な治療は、BPDに準じたものにしていました。

抜毛という行為を、悪いもの、早くなおさないといけないもの、と考えているので、抜毛しつつも、そのこと自体でさらに自分を責めてしまっているのでまずはそうではない、ということをはっきりさせる必要があります。

自分だけで解決しようとした結果、でてしまっている行為にすぎないからです。

保護者の方にも、そのように伝えますが、なかなかそこは大人の方がうまく扱えていないことが結構ありました。
もちろんそのあたりの養育者との関係自体が、そもそもの原因となっているので、当たり前なのかもしれません。

抜毛しつづけていると、毛がはえてこなくなってしまうこともあるので、その行為の本質的な意味を共有しつつ、とりあえず違うものに置換できないか模索したりも結構していました。
こっちにしてみないか、と本人と話し合ったりして。

本質的な治療は、BPDと同じように生育歴を振り返りつつ、つまづきを探していくということにやはりなるので、時間がかかります。

抜毛は、自傷と同じように、少し自分の罪悪感を消してくれる効果があります。瞬間的に何も用意しなくてもできるため、選択されやすい行為になっていると考えていました。
そして罪悪感、というものがどこからきているのか、これを見つけることが重要です。

医療法人永朋会 理事長
加藤晃司
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