エビリファイ筋注と内服薬の換算
エビリファイ筋注と内服薬の換算
前回の続きになります。
エビリファイ筋注をお勧めする患者さん
統合失調症、双極性障害の患者さんで、継続的にエビリファイを内服される患者さんには
エビリファイ持続性水懸筋注
の提案をしております。
注射薬と内服薬の投与量の比較について聞かれたために以下に資料を記載します。
しかし、経口薬と持続性水懸筋注薬の単純な効果の比較はできないと申し上げておきます。
内服薬から持続性筋注に切り替える際の等価換算として以下のものが知られております。
エビリファイ持続性水懸筋注
稲垣らの文献によると、統合失調症においてエビリファイ経口剤の4mg/日とエビリファイLAI 100mg/4週を等価とみなすと記載があります。
以下、大塚製薬のHPより、
統合失調症
国内外の臨床試験の結果より、エビリファイLAI400mgがエビリファイ経口剤6~30mg/日に相当すると考えます。
双極性障害
国内外の臨床試験の結果より、双極Ⅰ型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制においてエビリファイLAI400mgはエビリファイ経口剤12~30mg/日※に相当すると考えます。
※国内においてエビリファイ経口剤の双極性障害の躁症状改善に対する用法及び用量は12~24mg/日(最大30mg/日)です。
参考資料
1)石郷岡純:Schizophrenia research.2015;161(12):421
2)John M. Kane:Journal of clinical psychiatry.2012;73(5):617
3)W Wolfgang Fleischhacker:International clinical psychopharmacology.2013;28(4):171
4)W Wolfgang Fleischhacker:The British Journal of Psychiatry.2014;205(2):135
5)稲垣中:臨床精神薬理.2015;18(11):1475
6)Joseph R. Calabrese:Journal of clinical psychiatry.2017;78(3):324-331
また、筋注の初回投与後2週間では、まだ血中濃度が安定せず薬効は期待できません。
そのため、経口内服を2週間継続する必要があります。
その際の経口内服量は、症状や疾患により変化しますので、担当医師にご相談ください。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平