『極端に不器用』であるDCDの早期発見の意義
『極端に不器用』であるDCDの早期発見の意義
発達性協調運動症 DCD
↑のブログの続きです。
発達性協調運動症(DCD)は、5〜11 歳の子どもの 5〜6%に認め、 50~70%と高い割合で症状が青年期になっても残る、といわれている非常に発症率の高い障害でありながら、
発達障害やADHDに比較すると、保育や学校の教育現場やそれぞれの家庭において、認知されにくく、診断や治療に繋がりにくい疾患です。
しかし、昨今の不登校や引きこもりなどの社会的行動の問題が増えていることを考えると、
原因のひとつにDCDがかかわっているケースが少なくないと感じており、
DCDの早期発見による症状への理解、合理的な配慮、療育などは非常に意味のあることではないかと、最近特に思います。
DCDの症状は「極端な不器用さ」ということですが、症状は以下の3つに主に分かれます。
①粗大運動(走る、跳ぶなど体を大きく動かす運動)
②微細運動 (鉛筆やハサミの使用など、細かく手先を動かす運動)
③協応運動(目の動きと手の動きを合わせる運動。キャッチボールなど)の 3 点
上記のことが苦手なことで悩むことはもちろんですが、
・できないことで、親や教師から叱られやすい。また、意味のない反復練習などの対応がされやすい。
・同級生からからかわれやすい、いじめ、など、対人交流において支障を来たしやすい
・全身をつかう遊びや、手先を使う遊びへの苦手意識から、デジタル機器(ゲーム、スマホなど)に依存的になりやすい
・発達障害、ADHD、学習障害など他の疾患との併発が多い。
これらのことで、自己肯定感やメンタルヘルスが悪化し、不登校、ひきこもり、うつなどの二次障害に繋がることが大きな問題となります。
そのため、幼児から学童期の早期発見が望まれます。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平