自閉性障害、アスペルガー障害、自閉性スペクトラム障害に対する言語療法について、名古屋の児童精神科医が解説
自閉性障害、アスペルガー障害、自閉性スペクトラム障害に対する言語療法について、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、自閉性障害、アスペルガー障害、自閉性スペクトラム障害に対する言語療法について解説します。
自閉性障害やアスペルガー障害、要は、自閉症スペクトラム障害の中にはいってくる子どもたちは、少なからず言葉やコミュニケーションの苦手さを持っています。
コミュニケーションとは、言語によるものだけでなく、言葉を介さない非言語のコミュニケーションももちろん含まれます。
一般的な自閉性スペクトラム障害に対する言語療法について解説します。
自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人に対する言語療法は、コミュニケーション能力の向上を目指す治療法です。ASDのある人は、社会的コミュニケーションや非言語的な相互作用に困難を抱えることが多いため、言語療法はこれらのスキルを強化するのに重要な役割を果たします。
言語療法の主な目標
コミュニケーションスキルの強化:
言葉を使っての意思疎通、非言語的コミュニケーション(身振り、表情など)のスキルを向上させます。
言語理解の向上:
言葉の意味、文脈の理解、指示の理解などを強化します。
発話能力の改善:
単語の発音、文の構成、会話中の発言などの能力を向上させます。
社会的スキルの発達:
社会的相互作用や適切なコミュニケーションのためのスキルを教えます。
言語療法の方法
個別セラピー:
言語聴覚士が一対一で対応し、個々のニーズに合わせたプログラムを提供します。
グループセラピー:
複数の子どもたちが参加するグループセッションで、社会的スキルやコミュニケーションの練習を行います。
プレイベースのアプローチ:
遊びを通じて自然な環境での学習を促進します。子どもが興味を持つ活動を使って、コミュニケーションのスキルを教えます。
構造化された学習:
特定の技術や教育プログラムを使用して、独特な学習スタイルに対応します。
家族の参加:
家族が治療プロセスに参加し、日常生活でのコミュニケーションの機会を増やします。
効果
言語療法は、ASDのある人が社会に適応し、自己表現の能力を向上させるのに役立ちます。
治療の効果は個人差が大きいため、一人ひとりに合ったアプローチが必要です。
注意点
言語療法は継続的なプロセスであり、長期にわたる取り組みが必要です。
早期介入は効果を高める重要な要素です。
自閉症スペクトラム障害における言語療法は、コミュニケーションスキルの向上だけでなく、社会的な適応や自己表現の向上にも大きく寄与します。専門家と連携し、子どもの個々のニーズに合わせたプログラムを選択すること。
まとめ
以上が自閉性スペクトラム障害に対する言語療法となります。
1対1の言語訓練は、基本的には言語聴覚士の先生が行います。
やはり言語訓練はに関しては、言語聴覚士の先生がもっとも得意とするところです。
非言語コミュニケーションを向上させるプレイセラピー、療育、作業療法などは、心理士の先生や、作業療法士の先生が担当します。
どうしても児童精神科は、言語訓練ひとつをとっても、多くの職種のサポートが必要です。
しかも、それは何歳になったら終わりというものでもなく、いずれ自閉性スペクトラム障害の子どもたちも大人になっていきます。
児童精神科は、中学生まで、とか年齢で区切られていることが多いのですが、当法人ではそのようなことはせず、何歳になってもフォローできるようにしています。
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